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アトピー性皮膚炎における生活習慣の重要性

 アトピー性皮膚炎は生活習慣が関連しています。
私はアトピー性皮膚炎には脂肪肝の合併が多いことを報告しました。
 脂肪肝がある方は、脂肪肝を改善するような食生活をしていますと、アトピー性皮膚炎も早く改善します。
アトピー性皮膚炎に脂肪肝が合併することは、その後に動物実験でも確認されました。



 また夜更かしすること、パソコンや携帯電話を長時間すること、甘い物や脂っこい物の食べすぎは症状を悪化させます。早寝早起きして、和食にするのが有効です。
添加物を避けることも大切です。お菓子類も減らしてください。


 入浴もまた重要なポイントです。体もごしごし洗うのは、皮膚を傷めて良くありません。皮脂もとってしまうので、体は局所など汚れている所だけを洗い、アトピー性皮膚炎の所は流すだけが良いのです。お風呂に長く入るのもかゆみが強くなり良くありません。
お風呂は短めに入るか、シャワーだけにするのが有効です。


 アトピー性皮膚炎は薬物療法に加えて生活習慣が重要です。
規則正しい生活習慣で改善を早めてください。

当クリニックで薬物療法と正しい生活習慣でアトピー性皮膚炎が治癒された方は、薬物療法をやめても、生活習慣がしっかりしているので、再発することは非常にまれです。強いストレスがあったとか、感染症をおこした時とか、そういう外的要因が原因の場合で再発する場合がありますが、治療で速やかに治癒されています。

リバウンド

 アトピー性皮膚炎でステロイドやプロトピックを使用していて中止すると、リバウンドというアトピー性皮膚炎の悪化状態が発症することがあります。また、保湿剤やグリチルリチン酸を含んでいるスキンケア―アイテムでも使用して中止すると、リバウンドが発症する場合があります。リバウンドの発症と症状および治療が、一般的によく理解されていません。



 前述の外用剤ではアトピー性皮膚炎は治癒しません。これらは対症療法です。これらで改善しない方々が使用を中止して、リバウンドが発症すると医療不信になる時もあります。そしてそのまま治療を中止する方々もいらっしゃいます。どうしてよいか困惑されると思います。



 リバウンドを発症した方々が治療の為に医療機関を受診した場合、リバウンドを理解されていない医療機関では、ステロイドやプロトピックの再使用になります。保湿剤も使用されると思います。そうするといつまでもこれらがやめられません。やめたら悪化するという不安もあり、これらに依存性を作ります。



 当クリニックにはリバウンドを発症した方々が全国から多数受診されますが、前述の外用剤は使用しません。リバウンドの治療は抗アレルギー薬と抗ヒスタミン剤(かゆみどめ)の内服と抗菌薬等の塗布です。塗布は傷だけを消毒液と抗菌薬等を塗布します。内服が必要な細菌感染症や単純ヘルペス感染症の合併がある場合は、適切な内服の抗生剤や抗ウイルス剤を投与します。その他、症状に応じて必要な治療をいたします。



 当クリニックの治療でリバウンドは改善しますが、改善に要する期間は個人差があります。症状も多岐にわたります。軽症な方々から重症な方々まで様々です。改善には数ヵ月以上かかる時もありますが、リバウンドの改善と共にアトピー性皮膚炎も改善します。家族全員でリバウンドを理解して頑張ってください。



尚、リバウンドを発症してから治療するよりも、発症前から治療したほうが効果的です。ステロイド、プロトピック、保湿剤、グリチルリチン酸を含んでいるスキンケアーアイテムを中止したい方々は、これらを中止せずに当クリニックを受診してください。受診時に当クリニックの治療を開始して、これらを中止してもらいます。リバウンドを乗り越えて、アトピー性皮膚炎が治癒されることを願います。