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アトピーは笑いと共に去りぬ

 アトピー性皮膚炎の原因がアレルギー、環境、心理的因子などの多因性疾患で、日本のみならず世界中で人口の5~20%の方々がら罹患(りかん)されています。
 
 症状が悪い初診時は表情も暗く、笑うことなどずっと忘れていた
アトピー性皮膚炎の患者さんたちが皮膚炎の改善に伴って、自発的に笑うこと注目してきました。
もちろん病気がよくなって、笑うのは当然かもしれませんが軽度改善時、または改善していないときでも笑える人はより早く改善するので笑うことが更に改善度を高めるのではないか?と思い検討しました。

 対象は当科受診のアトピー性皮膚炎の患者さんのうち、237名で男性164名女性123名
です。
当科の特徴としてはステロイドホルモンを使わない治療です。

内服の抗アレルギー薬、抗ヒスタミンなどとスキンケア(消毒液による皮膚洗浄、抗菌剤、非ステロイド軟膏などの塗布)をしておりステロイド軟膏で改善しない方々やステロイド軟膏を使用したくない方々(従って中度から重度の方々)が他府県からも多数来院されます。
3ヶ月フォローして「改善」(患者さんたちが満足のいく

著名改善)は全体では83%、男性では86%女性では80%でした。
 そこでこれらの例につき、外来診療時における笑いの有無を検討すると改善例の方々の全体では、88%が笑いを経験しており、男性では82%女性では98%の方が笑っておりました。
 これは何気ない会話や、診療中の些細な事に対して自然に患者さんが笑うもので、私がジョークで笑わせてものではありません。

 笑うことによってアトピー性皮膚炎の改善が早まる可能性があります。
【過去の研究発表より】


 

 

アトピー性皮膚炎の多様性

 アトピー性皮膚炎は現在でもその原因がはっきりわからない病気です。おそらく多様な原因が複雑に絡み合っていると思います。受診された医療機関によって、アレルギーを重視される場合もありますし、そうでない場合もあります。そういう意味で困惑されている方もいらっしゃると思います。

私は少なくとも1)アレルギー、2)細菌感染症、3)ストレスの3つが関連していると考えています。食物アレルギーは必ずしも食べて症状が明確にわからない時もあります。しかし、かゆみとか、アトピー性皮膚炎の悪化に関与している可能性があります。

一般にアレルギー検査は血液検査でされていますが、当クリニックではプリックテスという皮膚を使った検査でアレルゲン(アレルギーの原因)を見つけています。プリックテストの方が血液検査より正確です。しかも皮膚を軽くひっかくだけですので、血液検査のような痛みはありません。プリックテストが陽性な場合は、陽性の食物アレルゲンを必要な程度にあわせて除去すると効果的です。

細菌感染症はアトピー性皮膚炎で一般的に着目されていませんが、細菌感染症の治療は非常に有効です。当クリニックでは初診時に細菌培養(皮膚を綿棒でこするだけです)をして細菌を同定して、有効な内服の抗生剤を投与します。軽症なら外用薬で改善します。

ストレスは、日常生活の色々なストレスに加えて、アトピー性皮膚炎が改善する目安がわからないという不安もストレスになります。当クリニックでは現在の状態を理解してもらうように詳細な説明をいたします。ストレス対策として規則正しい生活も指導します。パソコンや携帯電話を長時間することや、夜更かしもストレスになります。

 そして大切なことは、家族全員がよくアトピー性皮膚炎を理解して協力することです。医師との相互の信頼関係を築いて頑張ってください。改善に要する期間は個人差がありますが、アトピー性皮膚炎は治療を続ければ改善しますので、焦らず、希望をもって治療してください。
【過去の院長ブログより】

アトピー性皮膚炎は総合的な治療で

アトピー性皮膚炎はアレルギー、細菌感染症、ストレス等の色々な原因がありますので、それぞれを改善する治療が必要です。単なる対処療法では一時しのぎです。
アレルギーは検査をしてアレルギーの原因(アレルゲンといいます)を見つけ、それが症状の悪化因子となっていることを理解し、除去することが大切です。細菌感染症は皮膚の細菌培養をして細菌を検出し、その細菌に効果のある抗生剤を内服して治療します。ストレスはまず何がストレスを見つけそれに対応します。

 

1)アレルギー

チョコレートが好きな方がいましたが、検査でチョコレートがアレルゲンとわかりました。この方はチョコレートを食べてもじんましん等は出ていませんでしたが、アトピー性皮膚炎の悪化因子となっていました。他の治療と共にチョコレートをやめて症状は改善しました。

2)細菌感染症

ステロイドやプロトピックを塗布しても改善しない方がいました。この方はMRSA(抗生物質耐性の黄色ブドウ球菌)によるとびひ状態と思い、皮膚の細菌培養をしました。そして他の治療と併用してMRSAに効果のある抗生剤の内服を投与しました。結果はやはりMRSAで、抗生剤の効果があり改善しました。

3)ストレス

夜更かしして朝も起きるのが遅い方がいました。この方はアレルギーもそんなに強くなく、細菌感染症もひどくありませんでした。しかしアトピー性皮膚炎の症状は改善していませんでした。治療をしながら、夜更かしをやめて早寝早起きをしてアトピー性皮膚炎は著明に改善しました。この方は夜更かしがストレスになっていたわけです。

このように、アトピー性皮膚炎は総合的な治療が必要です。アレルギーの検査、皮膚の細菌培養、ストレスの発見は有用です。適切な治療をして、アトピー性皮膚炎を改善してください。
【過去の院長ブログより】