院長のブログ①~単純ヘルペス感染症について~

皆様、4月も半ばを過ぎましたが、新生活にはもう慣れましたでしょうか。

どうぞ、体調を崩さないようにお気をつけください。

~院長のブログより①~

当院で以前から単純ヘルペス感染症(単純ヘルペス)が多いのに気がついていました。

しかし世界的にはそういう傾向はなく、不思議に思っていました。

でも原因不明の皮膚疾患としていろいろ報告があり、私が見ると単純ヘルペスでした。

つまり世界的に、単純ヘルペス感染症の診断が理解されていないのが、残念な現状です。

その後、ワクチン接種後の単純ヘルペスが海外で報告されました。

単純ヘルペスウイルスが感染するのは、皮膚表面から侵入する必要があります。

アトピー性皮膚炎(アトピー)の方の皮膚のバリアーが弱く、それで侵入しやすいこともあります。

一方、アトピーのない健常な方の皮膚は侵入しにくいのです。

 

しかし、そのバリアーの問題が簡単なものではありません。

アトピーの皮膚症状の重症度と侵入しやすさは、相関関係がないという報告もあります。

つまり皮膚の傷の多さが、単純ヘルペスウイルスの侵入を決めるのではないのです。

逆に言うと皮膚に傷がなくても、単純ヘルペスになるのは理解できます。

 

アトピーの方の皮膚は、アレルギーを促進する物質で刺激されます。

実験的に健常な方の皮膚を、アレルギーを促進する物質で刺激し、侵入を検討しました。

すると健常な方の皮膚でも、単純ヘルペスウイルスが侵入しやすくなりました。

 

つまり、アレルギーの強さと単純ヘルペスにかかりやすいことは、関係があるのです。

だからアトピーがなくても、アレルギー性鼻炎の方が、単純ヘルペスになることは理解できます。

従って、抗アレルギー薬を続けて内服することは、予防になります。

そして単純ヘルペスになっても、内服の効果で症状がひどくなはないという可能性もあります。

 

他の原因は、ストレス、生活の疲れ、熟睡できないこと、ゆとりのないこと等です。

それらは感動することを見つけ、強く感動して活力を得て対処できる場合があります。

昔、私は良い映画を観て、感動して泣くとアレルギー反応が減弱することを報告しました。

生活の中で、感動を見つけて活力を持ち、人々が健康的に幸福になってほしいと願います。

アトピー性皮膚炎への偏見と闘い 愛の希望


私はアレルギー科の開業医で、アトピー性皮膚炎(以下、アトピー)の方々を多数治療している。
アトピーは痒みが強く、痛みや不眠もあり生活の質を大きく落とす重大な疾患である。

本人は病気の為に辛く、生活も不快である。
成人の場合は痒みで仕事に集中できない。小児のアトピーの場合は家族も辛い。痒みで夜中に何回も起きる小児をケアーする為、親も夜起きて不眠になる。

それでもきちんと治療すれば、多くの成人も小児の方々がアトピーは当クリニックで治癒している。

しかし社会ではアトピーの方々に様々な偏見や誤解があるが、それが知られてないのが現実である。その為、アトピーの方々は社会からも苦しめられる。
私とアトピーの方々は協力して、偏見や誤解と闘っている。

顔のアトピーの方は、外見から社会では疎外される。
学生で面接時、顔のアトピーの為、不採用になった方もいる。
社内で働く仕事なので、顔のアトピーは問題ないのだが、面接で露骨に言われショックをうけていた。ひどい話である。

幸いにその学生は、理解のある会社に就職できた。今はアトピーは改善している。

見栄えが悪くても、治療で改善、治癒するので、そのことを理解して面接してほしい。
営業の仕事でもアトピーは一時的なものということを理解して面接してほしい。

顔以外のアトピーでも、手とか首とか見える部位にアトピーがある方も同様である。
現在はアトピーという病気だが、改善すれば健常人と同じなので、差別はやめるべきである。

仕事でも顔のアトピーが治るまで、体は元気なのに仕事を強制的に休むように会社から命じられる。

特に営業担当の方々は被害者になる。
接客なので見栄えが悪いと仕事をしてはいけない。
治るまで休むようにと命じられるが、アトピーの改善には時間がかかるので、それを待っていると数ヶ月も仕事を休まなくてはならない。

アトピーは仕事をしながら治す病気である。

また仕事をしないと、毎日休日状態で、刺激もなく生活のリズムが狂い、改善が遅れる。仕事をした方が早く改善するのである。
そういうことを会社の担当の方に説明したこともある。

アトピーの改善には、顔のアトピーの部分に特殊な布でカバーしてもらい改善を早めているが、カバーしたまま働いてもいいはずである。

例えば頭に怪我をした人は包帯を巻いて仕事をしている。骨折した人は固定をして包帯で支えて仕事をしている。仕事を休めとは命じられない。アトピーに対する偏見である。

もっとひどいのは、アトピーが他人にうつるという誤解である。
うつるので会社を休むように言われた方もいる。医学常識を持ってほしい。

アトピーがうつることはない。
学校でも同様な事がおこっている。教師がアトピーの生徒の親に、改善するまで自宅療養するように言う場合もある。

勉強には差し支えないので休む必要はないし、改善まで時間がかかるので、学校に行きながら治すのが正しい治療である。
前述した仕事の場合と同じように、学校へ行きながら治療した方が生活のリズムが崩れずに改善が早い。友人とも遊べるし、学校は学びの場であると同時に、友人と遊ぶ場でもある。

一方、学校ではアトピーということでいじめもある。その為、不登校になる児もいる。それを教師は気づいてほしい。

また本人が顔のカバーを恥ずかしがって不登校になる場合もある。
私はそういう方々の誤解を解いて、教師や親に詳細に説明し、勇気をもって登校するように励ます。実際そうして投稿し、アトピーが改善して、元気で学校生活を楽しんでいる方もいる。
だから教師はアトピーは治る病気なので一時的に外見の見栄えが悪いと説明して、アトピーの児を応援して欲しい。

また、ステロイド使用にも問題がある。ステロイドで一度少し改善したが、次第に効果がなくなり、どんどんランクの強いステロイドが処方されそれでも改善せず、当クリニックを受診した方もいる。
私はもう数十年ステロイドを使わない治療で、多くのアトピーの方々を治癒に導いている。
ステロイドをやめるとリバウンドという一過性に悪化する状態になり、見た目はかなりひどくなる。

しかし、やがてその状態は改善し、アトピーも治癒する。
だがそのリバウンドの状態を見て、小児の健康診断の場とか、保健婦の小児への訪問で、虐待と勘違いして児童相談所に連絡されたこともあった。
そして両親は一生懸命治療しているのに、虐待していないかとか、色々詰問され不愉快な思いをして、私が説明してようやく児童相談所の方が了解してくれた場合もあった。

アトピーは乳児から高齢者まで多くの方が罹患している病気である。単なる皮膚疾患ではなく、社会的な問題も含んでいる。

同じ人間で、皮膚を見て偏見や差別を持つのは残念で、時代錯誤である。
乳児から高齢者まで、アトピーの人に温かい目を向け、援助する社会になってほしい。

2020年
木俣肇先生のエッセイより

身体を整え厳しい暑さを乗り越えましょう!

 暑い日が続きますが、体調など崩されていませんか?急な温度変化による全身の痒み、汗による不快感を感じる方も多いと思います。

そんな時、医療用不織布ガーゼバンブスを巻くのもいいですが、全身であれば待合室にあるBoodyのTシャツ・ズボンがお勧めです。抗菌・防臭、保湿・通気性、吸水効果があり、肌触りもやわらかでとても快適です。夏は涼しく、冬は温かく、紫外線からも肌を守ってくれます。スタッフも着用しておりますので、是非お気軽にお尋ねください。

また、エアコンの風による空気の乾燥、それにともなう喉の痛みには非加熱のハチミツ摂取が効果的です。ハチミツは基礎代謝を高めるのを助け、抗炎症、抗酸化作用を発揮する効果も

あります。クリニックで販売している無添加食品専門店プカプカのハチミツは、無農薬・非加熱・無ろ過で熱を全く加えない製法により、ハチミツ本来の味や栄養素を失わず、ビタミン・ミネラル・プロポリスなどの栄養を無駄なく摂取できます。

朝一のエネルギー補給、就寝前のお口のケアにハチミツを一口、そしてさに負けないよう元気に夏を乗り切りましょう!

患者さんからの疑問&質問コーナー Part ①

日中は穏やかで過ごしやすい季節となりましたが、朝晩は肌寒い日がまだまだあります。

久しぶりのブログの更新です。

今回は木俣肇クリニックによく患者さんから質問を受ける疑問をブログでお答えしていきたいと思います。

質問①
チュビファースト(グリーン・ブルー・イエロー)のみのカバーでいいですか?
答え ✕
チュビファーストは医療用不織布バンブスか、リント布をずれないようにするサポーターやテープの代わりと思ってください。

質問②
綿やガーゼを巻いてもいいですか?
答え ✕
綿やガーゼは傷にくっつきやすく感染リスクが高くなる為、医療用不織布バンブスか、リント布を巻いてください。

質問③
ゴム手袋を使用してもいいですか?
答え ✕
ゴムはアレルギー反応が強いため、使用しないでプラスチック手袋を使用してください。

質問④
痒いので木俣肇クリニックのクリームを塗ってもいいですか?
答え ✕
木俣肇クリニックのクリームは深い大きな傷だけに塗ってください。

質問⑤
竹布の服だけ着るのはいいですか?
答え ◯
竹布の服は改善効果があるので大丈夫です。浸出液が多いときは医療用不織布バンブスか、リント布を巻いてください。

質問⑥
頭皮の傷は消毒液だけでいいですか?
答え ◯
クリームは使用しないでください。

質問⑦
コーヒーは飲んでもいいですか?
答え △
砂糖、ミルクは入れずにブラックなら大丈夫です。

質問⑧
木俣肇クリニックのココナッツオイルを肌に塗ってもいいですか?
答え ✕
食用です。オリーブオイルやサラダ油の代わりに使用してください。

質問⑨
木俣肇クリニックの石鹸なら使ってもいいですか?
答え △
傷の多い患者さんはお湯洗いをお願いします。傷がなくなれば使用可能です。

寒い日のお風呂断ちについて

まだまだ残暑が続いていますが朝晩は少し寒くなってきました。これから本格的に寒くなる季節を迎えます。

寒い時期は身体を温めるためにお風呂につかりたいと思いますが肌にとっては、大変なダメージを受け乾燥と痒みの原因となってしまいます。

足に傷のない方には足湯をオススメします。
足湯には身体を温める効果やリラックス効果、自律神経を整えることもでき寒い日にはピッタリです。くるぶしの上までのお湯の量で良く、そのお湯に精製塩ではなく天日塩をひとつまみ入れるとさらにミネラルの吸収やデトックス効果が得られます。

足に傷のある方には腹巻きやレッグウォーマーの使用をオススメします。
腹巻きで腸を温めることにより、腸の機能向上が期待できます。また、レッグウォーマーで足を温めると血液循環が良くなり全身の血流の流れがスムーズになります。お身体と相談しながら是非お試しください。

花粉症の季節がやってきました!

こんにちは。久しぶりの更新です!木俣肇クリニックのスタッフブログへようこそ!

 花粉症の季節がやってきました。花粉と黄砂などが混ざって、今年も本当に辛い日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 私もこのクリニックで働き始めた頃は、マスクの中もぐちゃぐちゃになるくらい、花粉症が酷かったんです。喋りながら、鼻水やくしゃみに襲われ本当に辛い日々でした。なのに、頑なに「薬などに頼らないぞ!自分で治すんだ!」なんて思っていましたが、先生にアレロックなどを処方してもらい、それと同時に食事を変えました。それまではパン食が中心で、ほとんどご飯などを食べてなかったのですが、先生に「和食がいいですよ!」と教えていただき、その通りに和食に変えると、なんとあれだけ酷かった花粉症が、今はすっかり良くなりました。 
 まだパン食にされてる方がいらっしゃいましたら、少しずつでいいので和食に変えてみてくださね!きっと症状が変わってきますよ!(⋈◍>◡<◍)。✧♡

木俣肇クリニックからの本

 私は全国でアトピー性皮膚炎の講演をしていますが、講演を聴いて受診される方は早く治癒しています。それは講演を聴いて、当クリニックの治療方針を理解され、実際に治癒した方々の写真を見て、希望を持たれているからと思います。他府県からの通院は時間も費用もかかりますが、治癒する治療を選ぶべきです。

現在の治療を何年間もされていて治癒されない方は、しっかりした情報を集めて、治癒する治療をするべきです。ネットでは情報が不十分で、やはり本が良いです。

私がアトピー性皮膚炎の治療をはじめて、もうかなり長い期間がすぎました。その間、治癒せずに家族でつらい思いをされていた方々が、治癒して家族全員が笑顔になるのを見るのは、医師冥利に尽きます。講演ではそういう方々の写真をお目にかけています。

しかし、講演は聴く方の人数も限定されますし、写真も何回も見れません。この度、木俣肇クリニックの治療やアトピー性皮膚炎について詳細に記載してある本が、多くの方々のご厚意で出版できました。是非お読みください。

本の出版社の松籟社(しょうらいしゃ)さんが紹介ページを作ってくださいましたので、下記をご覧ください。

http://shoraisha.com/main/book/9784879843784.html



 

食物アレルギーとプリックテスト

  アトピー性皮膚炎では食物アレルギーを合併することが多いのですが、食物アレルギーの検査は一般的には血液検査で行われています。しかし血液検査は採血の痛みが伴いますし、偽陽性、偽陰性もあります。結果がでるのに時間もかかります。当クリニックでは、アレルギーの検査はプリックテストというアレルゲン(アレルギーの原因)の液を皮膚に落として、軽くひっかく検査をしております。

プリックテストは血液検査より正確ですし、しかもすぐ結果がわかります。乳児から高齢者まで簡単にできます。プリックテストは通常は年に一度です。陽性となったアレルゲンは例外もありますが、一般的には数ヵ月では大きくは変化しませんので、年に一度でよいのです。

またプリックテストにて、隠れているアレルゲンの検索が簡単にできます。チョコレート、イースト、パン(パンの添加物)等が陽性になることがあります。イースト、パンの検査では同時に小麦も検査しますが、小麦が陰性でもイーストやパンが陽性になることがあります。 

ある成人の方はパンの添加物に対してアレルギーがありました。小麦やイーストにはアレルギーはありませんでした。その方はパンをやめたらアトピー性皮膚炎の症状の改善が早まりました。その方は朝食にパンを食べていましたが、食べても特に症状は自覚していませんでした。しかしパンの添加物はアトピー性皮膚炎の悪化の要因になっていたのです。

このように、プリックテストでアレルゲンを簡単に見つけられます。それがアトピー性皮膚炎の悪化の要因であれば、除去して改善を早められます。アトピー皮膚炎の改善を早めるためにプリックテストは非常に有用です。