Author Archives: user-account

院長ブログ⑱「アレルギー疾患での単純ヘルペスと細菌に注意を」

 夏の訪れを感じる頃となりましたが、皆様お元気でしょうか。いよいよ夏本番!夏休みのご予定はお決まりでしょうか。朝ごはんを食べ水分と塩分摂取をし、熱中症などにご注意ください。 
 さて、今回の院長ブログは「紀伊民法」に掲載された
「アレルギー疾患での単純ヘルペスと細菌に注意を」です。単純ヘルペスは合併しやすく、家族で互いに移し合うこともある。との事です。タオルなどの共有は止めて、規則正しい生活を送って単純ヘルペスにかからないように皆様、ご注意ください。

 

 和歌山県からアトピーの中学生Aさん、喘息とアレルギー性鼻炎の母親Bさんが受診した。二人とも分子標的治療薬の注射で改善せず、ずっと不眠であった。Aさんは全身のアトピーで、単純ヘルペスを合併し浸出液も多く細菌感染もあった。強い症状よりMRSAを考え、抗アレルギー薬と抗ヘルペス薬とMRSAに効果のある抗生剤を投与した。また新薬の外用剤と保温剤も塗布していて、その為毎回入浴して外用剤を洗い流しその後にまた塗布していた。外用剤を全て中止し、入浴も1週間に1回シャワーにし抗菌性の布でカバーして皮膚を保護した。皮膚細菌培養の結果はやはりMRSAであったが、溶連菌も検出され2菌種の感染であった。2週間後には皮膚は乾燥し、痒みも減少して不眠もなくなった。一方Bさんは、アトピーはないが全身を診察すると所々に単純ヘルペスがあった。アトピーがなくてもアレルギー疾患があると単純ヘルペスは合併しやすく、親子で互いに移し合うこともある。咳や鼻汁もひどく、気管支炎もあった。抗喘息薬、抗ヘルペス薬、抗生剤、咳止めを投与した。2週間後、皮膚のヘルペスは治癒していた。しかし皮膚の細菌培養ではMRSAが検出され、親子で感染していた。喘息も鼻汁も改善し、不眠もなくなった。

 Aさんはその後リバウンドを起こしたが、内服と入浴制限とカバーで改善した。皮膚症状は改善していったが、頻繁に単純ヘルペスになった。しかし通院中で発見が早く内服で迅速に治癒した。Bさんの喘息とアレルギー性鼻炎は順調に改善した。しかしAさんが単純ヘルペスを発症するとBさんも発症した。アレルギー疾患があると単純ヘルペスを発症しやすいが、アレルギーが改善すると発症しなくなる。治療を続けると症状の改善につれて、2人とも単純ヘルペスの発症はなくなった。肌の綺麗なAさんを抱き、Bさんは症状改善と医療費の大幅な減少を喜んだ。治療は経済的健康も大切である。

院長ブログ⑰「アトピー治療は家族仲良く協力して」

緑の香りがいっそう濃く感じられる季節になりました。梅雨なのに時々朝晩寒いがありますが、体調など崩していませんでしょうか?

 

さて、今回の院長ブログは「アトピー治療は家族仲良く協力して」です。2026年6月5日に高知新聞に掲載されたコラムです。治療の参考にしていただけたら幸いです。
皆さま、どうぞ最後まで読んでみてください。

 

 アトピーの治療はよく家族の葛藤がある。治療法の違いの理解不足の為で、対立を起こすことがある。 
 小児のAさんが両親と共に受診した。ステロイドを数年間塗布したが改善せず、最近は全身の隆起性病変もでき、痒みで不眠も強い。両親はいろいろ勉強しステロイドフリーの治療を希望し当院へ受診した。初診では全身のアトピーに単純ヘルペスと細菌感染症を合併していた。抗アレルギー薬、抗ヘルペス薬、抗菌薬を投与し、3日に1回のシャワーの入浴制限と皮膚のカバーで症状は改善したが、強いリバウンドを起こし皮膚の浸出液が出て顔も腫れていた。通常この状態で早ければ2週間から月単位で改善するので、抗アレルギー薬を投与し入浴制限とカバーを続行した。 
 しかし父方の祖父母がリバウンドを理解せず、Aさんを強引にある病院に入院させた。ステロイド治療になり状態は軽減したが、退院するとまた悪化した。そこでようやく祖父母も理解し、両親とそろってAさんを連れてきた。実は今までも頻回に両親と祖父母は治療法で対立していた。   
 その雰囲気はAさんにも伝わり、ストレスで改善が遅れてしまった。両親と祖父母が協力してからはスムーズに改善し、その後治療し両親と祖父母が仲良くそろって素敵な笑顔を見せてくれた。

 先生のコラムにあるように、家族の皆さんが一丸となってアトピー治療をしていかなければ、上手くいかないことがあります。周りの方のご理解とご協力、そして優しさのある言葉かけが、治療をいい方向へ後押しするのだと思います。

院長ブログ⑯アトピーに使われる生物学的製剤について

梅雨の季節になりましたが、皆様お元気でお過ごしでしょうか?
雨が多い日が続いております。ご移動の際は足元などお気をつけください。

 さて、今回の院長ブログは「アトピーに使われる生物学的製剤について」です。
昨今、「ステロイドとは違うお薬です」と言われ生物学的製剤が処方される場合があります。生物学的製剤は様々な副作用が考えられるそうです。そして、それを裏付ける論文をいろいろ紹介しています。どうぞ、先生のブログを最後まで読んでみてください。

 
 アトピーに使われる生物学的製剤は、アレルギー症状を改善する目的で製造されました。しかし実際は人の免疫力に作用する免疫抑制剤で、様々な副作用があり危険です。アレルギー症状の改善なら、当院のように多剤併用が効果的で安全ですが、理解されません。

生物学的製剤のデュピクセントで悪化する方が受診しますが、ヘルペスの合併も多いです。しかし心ある方達は生物学的製剤の副作用の貴重な情報を集め、下記の論文にしてくれます。生物学的製剤の一つで、アドトラーゼという注射薬が非常に危険です。

2026年中国の報告で、生物学的製剤のアドトラーゼという注射薬の副作用のまとめです。

アドトラーゼはアレルギーに関与するIL-13というサイトカイン(免疫細胞同士の情報伝達を担う物質)に対する注射薬です。在宅自己注射が可能ですが、どのくらいの方がそうしているかは不明です。

しかし症状を診断せずに、自己注射するというのは危険です。

◎データは米国1649例、その他の国が121例で、計1770例です。

2022年151例で8.5%。

2023年350例で19.8%と増加。

2024年643例(36.3%)と激増。

2025年(の途中)626例(35.4%)ですが、まだ途中なので増加する可能性もあります。

つまり年々副作用の例が増加しているわけです。
副作用の中で重症例や死亡例は下記です。入院を要する状態が72例(4.1%)と多く、詳細は不明です。

更に死亡が19例(1.1%)もあります。

こういう情報も社会に流布されずに、死亡例があるのにこの薬剤を使用するのは異常です。その他にも、生命の危険が5例(0.3%)ですが、詳細は不明です。

副作用のケースレポート

1.)皮膚関連の異常:1141例と多いのですが、症状の記載はなし。
私が診察すると、カポジ水痘様発疹症もあるかもしれません。

2.)感染症等:751例ですが内容は不明。

3.)カポジ水痘様発疹症:5例ですが、私が診察するともっと多いかもしれません。

4.)腫瘍(良性と悪性やポリープ等)が19例あり、注目すべきです。
悪性腫瘍も発症している可能性もあります。

つまりアドトラーゼは、感染症を悪化させ、入院を要する重症な副作用を発症する。

更に死亡が19例もあり、悪性腫瘍も発症させる可能性もある使用すべきではない薬剤です。
デュピクセントの副作用も調べた事がありましたが、他の生物学的製剤も危険です。

新しく高価な危険な薬でなく、安全で有効な薬を使用すべきですが、この真実が消失しています。

 

院長ブログ⑮身近な所に感染症の原因あり

  若葉が美しい季節となりました。皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。

これからどんどん気温も上がってまいりますので、熱中症などにご注意ください。 

 

  さて、今回の院長ブログは「紀伊民法」に掲載された
「キーボードやスマホからの感染症」です。
身近な所に潜む感染症の原因に注意して!と先生からの
メッセージです、最後まで読んでみてください。

 

  和歌山市から手のアトピーが1年改善しないとAさんが受診した。外用薬で改善せず、痛みと痒みでずっと不眠であった。診察すると、両手のアトピーに細菌感染症を合併していた。症状から抗生剤耐性のMRSAと思い、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン剤とMRSAに効果のある抗生剤を処方し、入浴と手洗いを制限しカバーを指導した。抗アレルギー薬と抗ヒスタミン剤は睡眠を促す効果もある。複合効果で速やかに手の症状も痛みも痒みも改善し、一年ぶりに夜間の不快感もなく安眠できた。手の細菌培養検査の結果はやはりMRSAであり、投与した抗生剤には耐性でなく有効であった。

  Aさんは喜んで帰ったが、その後しばらくすると同様な症状でまた受診した。再度MRSAが検出された。治療で治癒したが、私は何か特別な原因があるかと思い詳しく話をきいた。Aさんの会社は医療の検査機器を扱い、Aさんは会社のコンピューターのキーボードや会社専用のスマホを使った後に症状がでるという。コンピューターもスマホも社員で共有し、多くの方が使う。ふとひらめいた。海外からはコンピューターのキーボードやスマホからMRSAが検出されたという報告が多くある。医療関連の会社なので細菌培養検査をすることは理解があった。そこでキーボードやスマホにMRSAが存在して、それによる症状の悪化の可能性を説明し、細菌培養を勧めた。Aさんは会社の社長に話し、社長も了解してくれて細菌培養をした。するとキーボードとスマホからMRSAが検出された。その報告をきき、すぐにキーボードとスマホを消毒して、その後もう一度細菌培養して陰性を確認するように指導した。Aさんはそれをきちんとやり、結果は陰性であった。その後、他の社員でも同様な手の症状があった方もいることがわかった。しかし消毒後Aさんも他の社員でも同様な手の症状があった方もいることがわかった。しかし消毒後はAさんも他の社員も症状は出てない。身近な所に感染症の原因があることを知って健康になって欲しい。

木俣肇クリニックからの本「チーム木俣がアトピーを治す」

 私は全国でアトピー性皮膚炎の講演をしていますが、講演を聴いて受診される方は早く治癒しています。それは講演を聴いて、当クリニックの治療方針を理解され、実際に治癒した方々の写真を見て、希望を持たれているからと思います。他府県からの通院は時間も費用もかかりますが、治癒する治療を選ぶべきです。

現在の治療を何年間もされていて治癒されない方は、しっかりした情報を集めて、治癒する治療をするべきです。ネットでは情報が不十分で、やはり本が良いです。

私がアトピー性皮膚炎の治療をはじめて、もうかなり長い期間がすぎました。その間、治癒せずに家族でつらい思いをされていた方々が、治癒して家族全員が笑顔になるのを見るのは、医師冥利に尽きます。講演ではそういう方々の写真をお目にかけています。

しかし、講演は聴く方の人数も限定されますし、写真も何回も見れません。この度、木俣肇クリニックの治療やアトピー性皮膚炎について詳細に記載してある本が、多くの方々のご厚意で出版できました。是非お読みください。

本のご購入は(株)メディフュージホームページをご覧ください。↓↓

https://shop.m-fusion.co.jp/products/team_kimata
202


 

院長ブログ⑬「人間は考える葦(あし)である」

余寒厳しい毎日が続いていますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。体調を崩されませんよう、どうぞお気をつけてお過ごしください。

さて、今回の院長ブログは「人間は考える葦(あし)である」です。先日、私たちスタッフの前でお話ししてくださいました内容をブログにしました。日頃、診療で忙しい先生の姿しか見てない患者さんもいらっしゃると思いますので、先生のお話を是非読んでみてください。

「人間は考える葦(あし)である」という名文句を残したのは1600年代のパスカルです。
葦は水辺の細く弱い植物です。人間は自然の中で弱い存在だが考えることができ、考える事こそが人間の偉大な力、という意味です。しかし逆に言うと、考えない人間は弱いままとなり、危険です。
2000年代の今世紀、「考える」ことの必要性が世界で痛感されています。
2017年ギリシャの報告で、健常人が5分間のスマホを使用し、使用前後で10の単語を覚えます。
僅か5分間のスマホ使用でも、記憶力低下で覚える単語の数が減りました。
2023年インドの報告で、スマホ使用で「睡眠障害」「意識障害」「考える力の障害」が起こります。
スマホに依存し、睡眠障害や考えて理解する力の障害が世界的に問題になっているのです。
これらは人間が人工の機器に依存し、考えているという錯覚をしている危機的状況を示します。

 

そこで思うと、チーム木俣はいつも考えて診察してきました。重症な単純ヘルペスの方が来たら、早く改善するための治療や看護を考えました。現在でも、単純ヘルペスの診断が他院ではされず、年単位で苦しむ方々が日本全国から受診されます。
チーム木俣が一丸となり、効果的な治療を続けていく事で、数多くの患者さんが治癒され笑顔になっています。
海外では新型コロナ関連で、単純ヘルペスが増加する事が理解されています。日本では新型コロナ騒動で正論を唱えた方達はパワハラを受けて、職場を追われた方もいます。これはアトピーとステロイド論争に似ていると心配して、残念に思っていました。
しかし海外には多くの真実と希望があり、チーム木俣は真実を追求しより良い治療を目指します。
またスマホやATMにウイルスや細菌がいる事が判ってきました。従ってヘルペスを繰り返す方は、スマホを消毒すると効果的かもしれません。ATMはその所有会社が責任を持って定期的な消毒をするべきですが、日本ではそのことは全く理解されていません。

日本に頼らず、海外の叡智(優れた知恵)を勉強してチーム木俣が発展するように頑張ります。

院長ブログ⑫ラテックス(ゴム)にご用心

 立春とは名ばかりで寒い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。お風邪などひかぬよう、どうぞ温かくしてお過ごしください。

さて、今回の院長ブログは「高知新聞」掲載された「ラテックスにご用心」です。

 院長ブログ⑥ラテックス(ゴム)アレルギーの増加についてでも紹介しましたが、ラテックスとはゴムの樹の樹液でゴム製品を作る材料の一つです。日用品にも含まれており、ゴム手袋、輪ゴム、下着のゴム、タイヤなど色々なものに含まれています。ラテックスアレルギーのある人の30%~50%の人が、特定の食品(果物や野菜など)に口腔アレルギーや、喘息、じんましんを発症します。ラテックスフルーツ症候群と呼ばれラテックスアレルゲンと交差することが原因です。特に発症リスクが高い食品は、アボカド、キウイフルーツ、バナナ、クリの4品目です。先生からの大切なメッセージです、皆さん最後まで読んでみてください。

  以前職場でラテックス(ゴム)製品を使い、症状が出てもラテックスアレルギーの診断がなかった方数名が高知から来て、当院を受診。治療で全員治癒した。その情報で、また高知の方が受診。子供が屋内の遊具施設でアナフィラキシー発症し、検査するが原因不明という。精査の為、血液検査より正確なプリックテストでラテックスアレルギーと判明。遊具はプラスチック製だが、床のシートのゴム製品に接触してアナフィラキシーを発症した。内服とゴム製品を除去し、ラテックスアレルギーは治癒した。また、別の高知の成人の方は、レストランで食事中にアナフィラキシーを発症。血液検査で食物は全てアレルギー陰性だった。また別の時、まぶしさ防止で運転中だけ眼鏡をかけると、顔面の腫れや呼吸困難が発症。アナフィラキシーで治療するも、血液検査では原因不明で当院を受診した。眼鏡を持参してもらうと、オールラバーでラテックス製品であった。プリックテストで食物は全て陰性、ラテックスが強陽性でラテックスアレルギーであった。レストランに聞くと従業員は皆ゴム手袋を着用し、ラテックス成分が食事に混入し発症と判明。眼鏡はオールラバーをやめ内服で以後順調。アレルギーも治癒した。これらの情報で健康になることを願う。

 日常的に使っているものに、ラテックスが使われている事があります。上記の様に、重篤な症状になることがあるので注意が必要な疾患です。ゴムを触ると痒くなるのは単なる接触性皮膚炎のこともありますが、ラテックスアレルギーも視野に入れておいてください。

当院ではプリックテストで(アレルゲンの試薬を皮膚に1滴のせて、専用の針を皮膚の表面に押し当てて、即時型アレルギー症状の原因を特定するための検査方法です。)ラテックスアレルギーかどうかがわかります。気になる方は一度当院を受診していただき、プリックテストを受けてみてください。

 

注意:プリックテスト希望の方は、受診日の当日はアレルギー薬や風邪薬を飲まずにご来院ください。

院長ブログ⑪アトピーを治癒させ経済的損失を減らそう

冬の寒さが一層厳しい頃となりました。皆様、体調を崩しませんようお気をつけてお過ごしください。
さて、今回の院長ブログは「紀伊日報」掲載された「アトピーを治癒させ経済的損失を減らそう」です。

アトピーの患者さんを健康にして、社会の経済も健康になることを願うと言う先生からのメッセージです、最後まで読んでみてください。

 

 アトピーの治療費は世界で高騰して経済を苦しめている。世界市場では2021年には52億米ドルであり、2028年には138億米ドルになるという予測がある。理由の一つは高価な新薬が対症療法的でアトピーが治癒せずずっと治療が必要な為である。アトピーはアレルギーが原因の皮膚疾患だが、皮膚の症状にとらわれて免疫抑制剤の外用薬のみの治療が横行している。これでは原因であるアレルギーは治らない。またアトピーは単純ヘルペス感染症の合併が多いが、性器ヘルペスと口唇ヘルペス以外の皮膚にも発症することが社会で理解されていない。私はアレルギー科医で三十年以上内服の抗アレルギー薬を治療の主体として外用薬を使わない治療をしている。治療した方は1万人を超える。最近、和歌山県から続けて数名の新患が来られた。全員痒みと痛みを伴う発疹に1年以上困っていた。新薬の注射薬や外用剤では改善せず、不眠で生活の質が低下していた。全員アトピーに単純ヘルペス感染症を合併していた。更に、全員ジャガイモとトマトのアレルギーがあり、ある方はラテックスアレルギーもあった。これらは一度も指摘されていなかった。採血での項目の選択不足である。ちなみに当院では採血ではなく、皮膚アレルギー反応で原因を特定する検査をしていて、採血より安価である。抗アレルギー薬と抗ヘルペス薬の内服で症状は改善し、更に必要な方はジャガイモやトマトやラテックスの除去をした。するとアトピーも著明に改善し、何人かは抗アレルギー薬を中止できた。治療費はその方達が1年以上の投薬に払った数分の1ですんだ。高額の治療費は患者さんの負担でもあるし、社会経済の負担である。世界の論文で新型コロナ後にヘルペス感染症が増加して、アレルギー疾患も増加している。そういう情報を把握して適切な治療をして、アトピーの患者さんを健康にして、社会の経済も健康になることを願う。

院長ブログ⑩就寝前に歩いてアトピー改善~アトピー治療の新しいアプローチ~

 初冬の候、いよいよ年の瀬が迫ってまいりました。寒気深まる頃、皆さまお変わりございませんか。
さて、今回の院長ブログは「てくてくサイトに」掲載された「アトピー治療の新しいアプローチ」です。

歩くことで皮膚症状の改善に加え、精神的・身体的な倦怠感の緩和もできるとの事。先生からのメッセージ、最後まで読んでみてください。

 

私はアレルギー科医として、日々他数のアトピー患者を診察している。アトピーは単なる皮膚疾患ではなく、不眠や不安、精神的・身体的な倦怠感を伴う複雑な病気である。とりわけ「不眠」は大きな問題で、最近では脳へのアレルギー性炎症の影響によって不眠が起こることも判明している。不眠はアレルギーを悪化させ、皮膚を乾燥させて痒みを増強する。すると不眠がさらに悪化するという悪循環になる。海外の文献では、不眠や不安の改善には「歩くこと」が有効であると報告されている。米国の報告では運動不足とアトピーの悪化に相関があり、ハンガリーの報告では歩くことが睡眠の質を高めるとされている。

私は治療中のアトピー患者で、夜間に不眠や不安がある方に、就寝前の10分間歩行を勧めている。ワンルームでも室内を何往復もすれば歩くことは可能で、天候にも左右されない。歩くことで睡眠を導くメラトニンの分泌が増加し、不安を軽減する脳由来神経栄養因子(BDNF)の分泌も促される。実際に、アトピーが改善しない方は熟睡できず、夜に神経が高ぶっているが、睡眠不足や不安の為に症状が悪化していることに自分では気づいていない。それを指摘し、就寝前に10分間歩くようにすると、適度な疲労と気分転換が得られ、不安が消えて安眠でき、皮膚症状も改善する。重症のアトピー患者の多くは、ほとんど運動をしていない。激しい運動や筋トレは難しいが、手軽にできる「就寝前10分間の歩行」は始めやすく、継続しやすい。また、就寝前と時間を決めておくと歩き忘れが防げる。「すべての用事が終わり、あとは寝るだけ」というタイミングが最も適している。10分は難しいが5分から始めるとよい。5分歩けば自信がつき、10分にも挑戦できる。歩くことは健康の基本だが、アトピーの場合、それが忘れられがちである。皮膚を安静に保つために入浴を制限する必要がある場合もあるが、歩くことで皮膚症状の改善に加え、精神的・身体的な倦怠感の緩和も期待できる。治療と就寝前の歩行によって治癒した方々は、その後も歩くことを日課とし、昼間の散歩を続けることで、良好な状態を維持している。

院長ブログ⑨仲間と社交性を保つことがアトピーの改善への一歩

皆さま、空が澄み寒さを感じる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

今回の院長ブログは前回に引き続き、アトピーの介護エッセイです。

このエッセイは、以前院長が看護・介護エピソードコンテストで「最優秀」を受賞されたものです。

長年診療されている中で、特に重症なアトピーの治療には程度に応じてアドバイスや介護が必要との事。この事を理解されることを願い、このエッセイを書かれています。

 

 アトピーの重症な方は、生活の質が低下し、低下の程度に応じてアドバイスや生活の仕方の介護が必要になるが、アトピーの介護は社会的に理解が少ない。アトピーで介護職のNさんが受診したが、長年外用薬で改善せず塗布すると悪化するので塗布を中止していた。皮膚は傷もじくじくの顔も滲出液が吹き出てきた。仕事は介護であるが、皮膚症状が介護者に感染するので、改善するまで休職するように言われて困っていた。症状はリバウンドであり、他人には感染はしないのでカバーして介護をすれば問題ないという説明を会社にするようにアドバイスした。しかし会社はそれを了解せず、休職を強要した。介護職なので外見の状態も関係すると思われたが、しかし顔の状態で勤務できないのはアトピーの方への差別である。

アトピーの方の就業には差別が多い。会社が外面を気にして営業から別の部署に強制的な変更も要求されるので、患者さんが会社として要望を聞いてくれない時は、私が会社に説明する。アトピーは皮膚の疾患であるが、仕事には差し支えない。しかし精神的な苦痛もあるので、孤立せず仲間と社交性を保つのが早い改善になる。そういう介護がアトピーの方に必要と言うことは理解されていない。だから、休職することは孤立してストレスが強くなり悪化に繋がる。オキシトシンというホルモンがあり、色々な作用があるが、社交性とも関連している。アトピーの方で皮膚症状があるが肉体的には就業には問題ない方でも、精神的に就業できない方がいる。その場合はオキシトシンが低下している。そういう方に、「就業は治療と思ってください。」と説明し、働いて仲間と交流すると、就業前に比べて唾液中のオキシトシンが増加する。そして皮膚症状も改善が早まる。

上記の様なことをNさんと会社に説明した。仕事として介護をすることが、Nさんのアトピーの介護に繋がる。そう力説すると、Nさんは非常に介護職へのモチベーションが沸いてきたが、会社がなかなか了解しない。「じくじくは感染症であり、それがうつったらどうするのか。」「見た目にひどい状態の方を働かせいると、会社のイメージが悪くなる。」というような理由で了解しない。そこで診断書でそのことを書いて、強調した。診断書は公文書なので、その効力は医学的なもので法律的にも有効であり、会社も承諾した。しかし、一般的には診断書にはそこまで書かない。このような差別的対応をする会社は、今までにも何回もあるが皆説明で了解してくれた。診断書は強制的に会社に介護を要求するので、会社とNさんとの関係にも影響があり、話し合いで了解したい。その後、Nさんはリバウンドが長引き、受診の度に辛さを訴えた。ある時は不眠、ある時は体の痛み。足の浸出液がひどく歩行困難な時は、利尿剤を処方した。今まで経験したことのない症状に、精神的にも辛かったが、同じような症状の方の写真を見せしたりして、改善の過程を理解すると安心された。アトピーも改善して見た目も傷がなくなったので、介護の仕事も順調にできた。受信できない時は、電話診察などで質問を受けたりもした。リバウンド状態では、次々と起こる事が未知なので、Nさんは非常に悪くなっているのかと、心配であった。それはストレスになり、アトピーの症状を悪化させる。その時、適切なアドバイスでストレスが改善する。そういう細かな介護が重症なアトピーには必要である。Nさんはその後順調で、アトピーも治癒した。仕事も生きがいを持って働いている。Nさんを追い詰めた会社も、Nさんをみて見解を改めた。アトピーの方も積極的に新入社員で入社させるようになった。また応募する方も、アトピーでも介護職につけるということで、多くの方が応募してきた。その中での新人で、FさんとTさんとYさんとがアトピーであり、私の治療を希望して受診してきた。3人とも外用剤で改善せず、顔と傷と滲出液が多かった。Nさんのように治療をして電話の質問も受けた。そういうやり取りを数ヶ月して、3人とも改善、治癒した。その間、会社は3人を励ましてくれた。アトピーの方が複数働いている介護の会社と話題になり、周囲の方々も好感的であった。3人はチームワークがよく、お互いに改善効果を比べて、アトピーの改善度を喜びに変えて競い合った。診察もきちんと通院し、内服を飲みカバーもしっかりした。皆で一緒に治療するということが、より前向きになれ、お互いの改善も理解でき、治療効果があった。そして、3人ほとんど同時に治癒した。治癒したのは一緒に頑張ろうという仲間意識が強く、オキシトシンが増加した為かもしれない。私の介護としては、診察時のアドバイスと、電話診療での回答である。こういう形の介護がアトピーにはない。病院職員の協力で私はできたが、医療機関のスタッフの理解も必要である。その会社が心配するような、外見が悪いことは介護としての仕事の妨げにはならなかった。むしろ、ある種の病気や障害をもっている方が、新身で介護をしてくれるという、仲間意識が介護される方には強く働き、スムーズにいった。いわば介護を必要とする方達の気持ちをよりよく判るアトピーの介護職という感じである。「アトピーの介護」が理解されることを願う。