アトピー性皮膚炎に保湿剤は不要です

 アトピー性皮膚炎に保湿剤を塗布されている方々が多いのですが、保湿剤ではアトピー性皮膚炎は改善しません。現在、保湿剤を塗布して皮膚からのアレルゲンの吸入を阻害するという考え方がありますが、当クリニックに保湿剤を塗布してこられる方々は、感染症で悪化している場合が多く見られます。

アトピー性皮膚炎は細菌感染症の合併が多く、保湿剤は傷を覆ってしまい、細菌感染症は悪化します。更に皮膚は保湿剤がないと乾燥がひどくなる保湿剤依存症になります。こうなると悪循環で、いつまでも皮膚の乾燥は改善しません。

しかも保湿剤の塗布はリバウンドを起こす場合があります。ある方は、ステロイドを塗布していなくて、保湿剤でアトピー性皮膚炎を治療していて改善せず受診されました。保湿剤を中止しましたらリバウンドを起こしました。当クリニックの治療で改善しましたが、リバウンドの改善には時間がかかりました。

当クリニックでは保湿剤は塗布せず、外用薬は傷のみ塗布してもらい、その上から布(リント布と竹布というものがあります)でカバーしてもらいます。傷のない箇所には外用薬は塗布しません。この方法で次第に皮膚も強くなり、傷もできにくくなりますし、皮膚の乾燥も改善します。

保湿剤を塗布している方々は、そのことが皮膚を痛めていることをよく理解してください。塗布している時には皮膚の乾燥はマスクされていますが、皮膚の保湿力は改善していません。アトピー性皮膚炎に保湿剤は不要です。

 

 

 

 

ハリー・ポッターに助けられて

 ハリー・ポッターを最初に日本語版で読んでまあまあ面白いと思いました。その後映画になりましたので観に行き、英語の美しさに感動しました。日本語版ではそのことはわかりませんでした。すぐに原書を買いに行き、その当時は1巻から3巻まで出版されていたので、3巻全部を買いました。

1巻目から英語の素晴らしさに圧倒されました。ストーリーも秀逸ですが、日本語版では味わえない英語の微妙な言い回しや、作者の造語も物語をより奥深くしています。時間のある限り夢中で読みました。感動のうちに1巻を読み終わると、2巻を読み、また大きな感動をもらい、3巻に進みました。素晴らしいと思いました。まだ4巻は出版されていなかったので、3巻を読み終わると1巻に戻り1巻から3巻をそれぞれ2回読みました。

読んでいるときは至福でした。実はこの時、勤務している病院の売却問題があり、大きなストレスで病院全体が暗いムードでした。しかし私はハリー・ポッターのおかげで、生き生きとして仕事も明るく楽しくできました。つまり私はハリー・ポッターに助けられてストレスを克服できたのです。

アトピー性皮膚炎ではストレスが重要な因子になっています。ストレスを克服しながら治療すると改善が早くなります。逆にストレスにさいなまれると改善が遅れます。ですので何か自分が夢中になれるストレスを発散させるものを見つけてください。読書でも、映画でも、音楽でも、スポーツでも、何でも結構です。アトピー性皮膚炎は生活しながら改善させる病気です。

そういうものがあれば、生活は生き生きとしてアトピー性皮膚炎の改善に役だちます。是非、その「何か」を見つけてください。ちなみに、私はハリー・ポッターの原書を全巻読みました。読んでいる間、生きていることはこんなに楽しいと思い、仕事も精力的にできました。自分にあった人生の楽しみを見つけてアトピー性皮膚炎を改善させてください。

竹布 ナファ生活研究所から相田陽太郎氏と当院スタッフによるお話会を開催していただくことになりました。

主催は当院のHajimeちゃん石鹸を作って下さっています石鹸工房コクーンさんです

参加表明はコクーンさんまでお電話にてお願いします
※定員になり次第受付終了となります

参加御希望の方は
072-636-1181 石鹸工房コクーンさんまで。

ご案内
日時:11月4日㈰ 13:30開始~16:30終了(開場13:00)


場所:摂津市鶴野会館

   大阪府摂津市鶴野2丁目9-5
            大阪モノレール摂津駅より徒歩5分

参加費:1000円
☆参加者には優しい竹からできたベビーソフトタオルとHajimeちゃん石鹸をプレゼント下さいます


木俣とジブリ

 私はジブリの大ファンです。ジブリの作品はもちろん大好きですが、ジブリの運営にも興味があり、その見事さに敬意を払っていました。ジブリの作品がヒットするのは素晴らしいからですが、その作品を世に出すには色々な方々の協力が必要です。それを仕切って運営されている方が鈴木敏夫プロデューサーさんです。鈴木敏夫プロデューサーさんの活躍を知るようになり、この方がジブリを支えていることがわかりました。

その頃、私は京大病院に勤務していましたが、鈴木敏夫プロデューサーさんにお会いしたくなり、学会が関東であり、その時にお会いしたいことを、若気の至りで手紙等にて連絡をとりました。今思えば面識もなく、本当に失礼なことをしたものです。しかし、鈴木敏夫プロデューサーさんは多忙な中で時間を作ってお会いしてくれました。誠に寛大な方です。

そして色々なことを長時間話してくださり、ジブリの映画製作と興業に関する方針を教えてくださいました。その他、色々な話もしてくださいました。私にとっては非常に勉強になる話で、本当に感謝しています。ジブリは今後も素晴らしい作品を作り続けて欲しいと思います。

私も診療に全力を尽くし、アレルギー疾患で困っている方々を改善、治癒させるように精進いたします。心に何かよりどころがあると、人は毎日楽しく生き生きと生活できます。ジブリの作品を観る度に私は活力をもらっています。それは診療を精力的にする励みになります。

アレルギー疾患でお困りの方々は、そういう楽しみを見つけて活力をもって治療してください。そうすれば改善、治癒は早まります。

 

 

アトピー性皮膚炎と低蛋白血症

 アトピー性皮膚炎で低蛋白血症が起こることがあります。低蛋白血症の原因は様々ですが、皮膚の病変からの蛋白漏出でも起こります。
特にリバウンドの時は浸出液が多く蛋白漏出が増えて、低蛋白血症が起こることが多くあります。
 
 また食物アレルギーによる栄養障害等でも起こります。食物アレルギーが強ければ、アレルゲンを検査してアレルゲン除去が有効です。水分制限も大切で、水分をとりすぎると血液中の蛋白質が薄くなり低蛋白血症となります。

 

 当クリニックでも悪化時は低蛋白血症の方は多いと思われます。しかし、当クリニックでしている色々な治療を組み合わせて継続すれば、アトピー性皮膚炎の改善と共に蛋白漏出も減ってきまして、低蛋白血症も改善します。
リバウンドがありましても治療で改善すれば、低蛋白血症も改善しますので大丈夫です。低蛋白血症についてご心配なことがあれば、お気軽に診察時にご相談ください。

 

注意すべきは、乳児の重症アトピー性皮膚炎の低蛋白血症で感染症等の合併症を伴っている時です。この場合は入院治療が必要です。入院治療ではステロイドの使用を勧める医療機関が多いのですが、ステロイドを使用せずに改善しますので、やはりステロイドの使用はさけるべきです。

 

 重症かどうかは診察でわかりますので、当クリニックの治療を継続して頂いて、通院して頂ければ大丈夫です。
 もし急激に状態が悪化したり、普段と様子が違うのでしたら、受診して頂ければ診察しまして詳細に説明いたします。アトピー性皮膚炎と低蛋白血症について色々な情報が氾濫していますが、正しい情報を得てよく理解されて、適切な治療で改善されることを願います。

【過去の院長ブログより】

アトピー性皮膚炎とストレス

 アトピー性皮膚炎は現在でもその原因がはっきりわかっていません。色々な原因が混ざっている複雑な病気だと思います。ストレスもその原因の一つです。仕事、学校、家庭、その他色々な所でのストレスもあります、様々な不安もストレスになります。特に長年ステロイド、プロトピックや保湿剤を使用していて改善されない方は、不安が強いと思います。

 当クリニックでは、ステロイド、プロトピックや保湿剤を使用しません。今までの治療から当クリニックの治療に変更しますと、一時的に症状が悪化するリバウンドを起こすことがあります。リバウンドが起こらない方、あるいは非常に軽く起こる方もいます。リバウンドもストレスですが、その時は家族全員でリバウンドを理解してストレスを乗り切ってください。

 不安やわからない事はお気軽に診察時におっしゃってください。詳細に説明いたします。
 
 大切な事は、今までの治療では改善していなかった事をよく理解することです。治療が変わることもストレスと思いますが、当クリニックでの治療で多くの方々がリバウンドを克服して改善されています。

 また、携帯電話やパソコンを長時間することや夜更かしも、自分で意識していないかもしれませんがストレスです。
リラックスする環境を作って、希望を持ってアトピー性皮膚炎を改善してください

【過去の院長ブログより】

アトピー性皮膚炎と不眠

 アトピー性皮膚炎で睡眠は大切な要素です。睡眠が十分にとれないと、症状の改善が遅れます。熟睡できますと、症状の改善が早まります。また寝るタイミングも重要です。夜更かしは良くありません。早く寝ることは睡眠中の成長ホルモンの分泌が増し、皮膚に良い影響を及ぼします。 

不眠の原因は色々あります。痒みが強いとか、またストレスやリバウンドでも不眠は起こります。注意すべきことは、昼夜逆転してしまうことです。昼寝てしまうと、ますます夜は不眠になります。そうなるとアトピー性皮膚炎も悪化します。昼は寝ず、夜に早く寝るのが大切です。夜に早く寝て夜中に起きても大丈夫です。

不眠が強い時は、症状に応じて成人には睡眠薬を内服してもらいます。小児なら抗不安薬は安全に内服できますので内服してもらいます。不眠が改善するまで内服を続けてもらい、改善したら中止します。当クリニックには、不眠の成人や小児の方々が多く受診されますが、アトピー性皮膚炎の治療に加えて、前述の内服療法で改善されています。

生活習慣も大切で、寝る前にパソコンや携帯電話を長時間するのは良くありません。寝る前には音楽を聴くとか、ストレッチをするとかして、リラックスするのが良いです。朝は早く起きて朝日を浴びてください。薬物療法に加えて適切な生活習慣で、アトピー性皮膚炎の不眠を改善してください。

アトピーは笑いと共に去りぬ

 アトピー性皮膚炎の原因がアレルギー、環境、心理的因子などの多因性疾患で、日本のみならず世界中で人口の5~20%の方々がら罹患(りかん)されています。
 
 症状が悪い初診時は表情も暗く、笑うことなどずっと忘れていた
アトピー性皮膚炎の患者さんたちが皮膚炎の改善に伴って、自発的に笑うこと注目してきました。
もちろん病気がよくなって、笑うのは当然かもしれませんが軽度改善時、または改善していないときでも笑える人はより早く改善するので笑うことが更に改善度を高めるのではないか?と思い検討しました。

 対象は当科受診のアトピー性皮膚炎の患者さんのうち、237名で男性164名女性123名
です。
当科の特徴としてはステロイドホルモンを使わない治療です。

内服の抗アレルギー薬、抗ヒスタミンなどとスキンケア(消毒液による皮膚洗浄、抗菌剤、非ステロイド軟膏などの塗布)をしておりステロイド軟膏で改善しない方々やステロイド軟膏を使用したくない方々(従って中度から重度の方々)が他府県からも多数来院されます。
3ヶ月フォローして「改善」(患者さんたちが満足のいく

著名改善)は全体では83%、男性では86%女性では80%でした。
 そこでこれらの例につき、外来診療時における笑いの有無を検討すると改善例の方々の全体では、88%が笑いを経験しており、男性では82%女性では98%の方が笑っておりました。
 これは何気ない会話や、診療中の些細な事に対して自然に患者さんが笑うもので、私がジョークで笑わせてものではありません。

 笑うことによってアトピー性皮膚炎の改善が早まる可能性があります。
【過去の研究発表より】


 

 

アトピー性皮膚炎の多様性

 アトピー性皮膚炎は現在でもその原因がはっきりわからない病気です。おそらく多様な原因が複雑に絡み合っていると思います。受診された医療機関によって、アレルギーを重視される場合もありますし、そうでない場合もあります。そういう意味で困惑されている方もいらっしゃると思います。

私は少なくとも1)アレルギー、2)細菌感染症、3)ストレスの3つが関連していると考えています。食物アレルギーは必ずしも食べて症状が明確にわからない時もあります。しかし、かゆみとか、アトピー性皮膚炎の悪化に関与している可能性があります。

一般にアレルギー検査は血液検査でされていますが、当クリニックではプリックテスという皮膚を使った検査でアレルゲン(アレルギーの原因)を見つけています。プリックテストの方が血液検査より正確です。しかも皮膚を軽くひっかくだけですので、血液検査のような痛みはありません。プリックテストが陽性な場合は、陽性の食物アレルゲンを必要な程度にあわせて除去すると効果的です。

細菌感染症はアトピー性皮膚炎で一般的に着目されていませんが、細菌感染症の治療は非常に有効です。当クリニックでは初診時に細菌培養(皮膚を綿棒でこするだけです)をして細菌を同定して、有効な内服の抗生剤を投与します。軽症なら外用薬で改善します。

ストレスは、日常生活の色々なストレスに加えて、アトピー性皮膚炎が改善する目安がわからないという不安もストレスになります。当クリニックでは現在の状態を理解してもらうように詳細な説明をいたします。ストレス対策として規則正しい生活も指導します。パソコンや携帯電話を長時間することや、夜更かしもストレスになります。

 そして大切なことは、家族全員がよくアトピー性皮膚炎を理解して協力することです。医師との相互の信頼関係を築いて頑張ってください。改善に要する期間は個人差がありますが、アトピー性皮膚炎は治療を続ければ改善しますので、焦らず、希望をもって治療してください。
【過去の院長ブログより】

アトピー性皮膚炎は総合的な治療で

アトピー性皮膚炎はアレルギー、細菌感染症、ストレス等の色々な原因がありますので、それぞれを改善する治療が必要です。単なる対処療法では一時しのぎです。
アレルギーは検査をしてアレルギーの原因(アレルゲンといいます)を見つけ、それが症状の悪化因子となっていることを理解し、除去することが大切です。細菌感染症は皮膚の細菌培養をして細菌を検出し、その細菌に効果のある抗生剤を内服して治療します。ストレスはまず何がストレスを見つけそれに対応します。

 

1)アレルギー

チョコレートが好きな方がいましたが、検査でチョコレートがアレルゲンとわかりました。この方はチョコレートを食べてもじんましん等は出ていませんでしたが、アトピー性皮膚炎の悪化因子となっていました。他の治療と共にチョコレートをやめて症状は改善しました。

2)細菌感染症

ステロイドやプロトピックを塗布しても改善しない方がいました。この方はMRSA(抗生物質耐性の黄色ブドウ球菌)によるとびひ状態と思い、皮膚の細菌培養をしました。そして他の治療と併用してMRSAに効果のある抗生剤の内服を投与しました。結果はやはりMRSAで、抗生剤の効果があり改善しました。

3)ストレス

夜更かしして朝も起きるのが遅い方がいました。この方はアレルギーもそんなに強くなく、細菌感染症もひどくありませんでした。しかしアトピー性皮膚炎の症状は改善していませんでした。治療をしながら、夜更かしをやめて早寝早起きをしてアトピー性皮膚炎は著明に改善しました。この方は夜更かしがストレスになっていたわけです。

このように、アトピー性皮膚炎は総合的な治療が必要です。アレルギーの検査、皮膚の細菌培養、ストレスの発見は有用です。適切な治療をして、アトピー性皮膚炎を改善してください。
【過去の院長ブログより】