院長のブログ③~梅の健康への効果~

皆様、6月に入り汗ばむ日も増えてきましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。どうぞ、体調を崩さないようにお気をつけください。

~院長ブログより③~

梅の健康への効果はいろいろ報告されています。

1)アレルギー性鼻炎10人とアトピー10人に、梅干しを食べて貰いました。1回3個、朝昼夕の3回で1日9個を1週間食べ、その後ダニのプリックテストをしました。すると、アレルギー性鼻炎でもアトピーでも、反応が減弱していました。

2)2018年日本の和歌山大学からの報告。(和歌山は梅の産地です。)梅の抗アレルギー作用をアレルギー性鼻炎の人と、マウスと、ラットの肥満細胞で検討。

A)人は「乾燥梅」、又は「梅干し」のどちらを食べる数でグループ分けし、症状との関連を検討。毎日1個以上は「高」、アレルギー性鼻炎の症状が有意に軽減していた。

B)マウスには梅抽出物を摂取させ、耳の皮膚でのアレルギー反応を検討。梅抽出物を摂取したマウスでは、アレルギー反応が減弱した。

C)ラットの肥満細胞では、梅の色々な成分が肥満細胞のアレルギー反応を減弱させた。

3)2015年、2)と同じ日本の和歌山大学からの報告。
逆流性食道炎の方で、「乾燥梅」又は「梅干し」のどちらかを食べる数でグループ分けし、症状を検討。毎日1個以上を「高」、1日1個以上を「低」とし、グループ分けした。「高」は「低」より、逆流性食道炎の症状が軽減していた。

4)2020年フランスの報告。
梅の抽出物に肝保護作用、抗炎症作用、抗酸化作用、抗菌作用、および抗がん作用がある。抗がん作用は、固形腫瘍と血液腫瘍の両方でがん細胞の増殖を阻害。

5)2011年台湾の報告。
台湾で市販されている梅の成分で、ラットの肥満細胞の抗アレルギー反応を検討。抗酸化&抗炎症作用の、5ーヒドロキシメチ化シトシンという成分が、抗アレルギー作用があると報告。5ーヒドロキシメチ化シトシンの含有量(g/㎏)は、台湾の3種類の梅で、0.553、0.034、0.001以下。尚、日本の3種類の梅でも検討し、含有量は0.13、0.067、0.015だった。梅の種類で効果に差があるので、良い梅を選ぶべきです。

6)2006年日本の近畿大学の報告。
梅の成分がピロリ菌の運動性を阻害する。

梅干しは健康に良く、疲れもとれる日本古来の万能食品です。皆さんも、是非日々の食事と共に食してみてください。