Daily Archives: 2025年9月12日

院長ブログ⑥ラテックス(ゴム)アレルギーの増加について

皆様9月に入りましたが、まだまだ暑さが 皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。新しい知識で脳を活性化し、夏の疲れを取りましょう。

 

  最近、ラテックス(ゴム)アレルギーの患者さんが増加しています。ラテックスアレルギーは、現在でも日本では理解不足です。ラテックス製品が溢れ、リスクは高まっていて、更に色々な食物と交差抗原性もあります。家庭は色々な職種(食物、理髪、他)でラテックス手袋の使用も増加して、情報不足が心配です。

 

世界的にも下記のような、ラテックスアレルギーの報告がありす。 
 
1994年ドイツ ラテックスアレルギーの方で、ラテックスとソバが交差反応あり。
1995年米国  食堂で食べ物を扱う従業員が、ラテックスアレルギー発症。
2002年米国  髪の接着剤を繰り返し使い、接着剤の中のラテックスでアナフィラキシーを発症。
2002年米国  家(台所)ラテックス塗料で、全身の蕁麻疹、腹痛、呼吸困難、その後失神を発症。
2005年英国  チョコレートバーの包装による、唇の腫れ、鼻汁、目の痒みあり、ラテックスアレルギー発症。
2006年日本  ボールペンのグリップで、右での親指、人差し指、中指の皮膚炎を発症。
2012年日本  つけまつ毛の接着剤のラテックス成分によるアレルギーで、瞼の紅斑(皮膚の赤み)を発症。
2015年イタリア ラテックスを含むチューインガム、おもちゃ、自転車のハンドル、歯磨き粉、化粧品で報告。
2020年米国  自転車のラテックス含有のハンドルで、指と手のひらの接触性皮膚炎を発症。
2025年英国  まつ毛のカーラーがラテックス製で、ラテックスアレルギー発症。

   ゴム手袋自体は医療、介護、衛生で有効だが、重症ではアナフィラキシーを起こす。ラテックスは交差抗原性(ラテックスだけでなく、構造が似ている他の物質にも反応してしまう現象)があり、ジャガイモ、トマト、キウイ、メロン、バナナ、ソバを食べてアレルギー発症の危険もある。食品業者が青色のラテックス手袋をし、理髪店でもその手袋を使って頭を洗う。客がラテックスアレルギーだと危険だし、理容師もアレルギーの発症するリスクもある。食堂でもホテルでもコンビニでも、衛生重視で職員が黒や青のラテックス手袋を使用しているが、危険である。便利で有効だが、少数弱者のアレルギーの方達を犠牲にしてはいけない。子供のおもちゃでもラテックス製品が多く使用され、ラテックスアレルギーリスクが高まる。哺乳瓶の乳首のラテックスでアナフィラキシーを起こした赤ちゃんや、ラテックス製のおもちゃを口に入れアナフィラキシーの子も受診した。便利さより安全を重視する社会になってほしい。