Category Archives: 院長 木俣肇ブログ

木俣肇クリニックからの本

 私は全国でアトピー性皮膚炎の講演をしていますが、講演を聴いて受診される方は早く治癒しています。それは講演を聴いて、当クリニックの治療方針を理解され、実際に治癒した方々の写真を見て、希望を持たれているからと思います。他府県からの通院は時間も費用もかかりますが、治癒する治療を選ぶべきです。

現在の治療を何年間もされていて治癒されない方は、しっかりした情報を集めて、治癒する治療をするべきです。ネットでは情報が不十分で、やはり本が良いです。

私がアトピー性皮膚炎の治療をはじめて、もうかなり長い期間がすぎました。その間、治癒せずに家族でつらい思いをされていた方々が、治癒して家族全員が笑顔になるのを見るのは、医師冥利に尽きます。講演ではそういう方々の写真をお目にかけています。

しかし、講演は聴く方の人数も限定されますし、写真も何回も見れません。この度、木俣肇クリニックの治療やアトピー性皮膚炎について詳細に記載してある本が、多くの方々のご厚意で出版できました。是非お読みください。

本の出版社の松籟社(しょうらいしゃ)さんが紹介ページを作ってくださいましたので、下記をご覧ください。

http://shoraisha.com/main/book/9784879843784.html



 

食物アレルギーとプリックテスト

  アトピー性皮膚炎では食物アレルギーを合併することが多いのですが、食物アレルギーの検査は一般的には血液検査で行われています。しかし血液検査は採血の痛みが伴いますし、偽陽性、偽陰性もあります。結果がでるのに時間もかかります。当クリニックでは、アレルギーの検査はプリックテストというアレルゲン(アレルギーの原因)の液を皮膚に落として、軽くひっかく検査をしております。

プリックテストは血液検査より正確ですし、しかもすぐ結果がわかります。乳児から高齢者まで簡単にできます。プリックテストは通常は年に一度です。陽性となったアレルゲンは例外もありますが、一般的には数ヵ月では大きくは変化しませんので、年に一度でよいのです。

またプリックテストにて、隠れているアレルゲンの検索が簡単にできます。チョコレート、イースト、パン(パンの添加物)等が陽性になることがあります。イースト、パンの検査では同時に小麦も検査しますが、小麦が陰性でもイーストやパンが陽性になることがあります。 

ある成人の方はパンの添加物に対してアレルギーがありました。小麦やイーストにはアレルギーはありませんでした。その方はパンをやめたらアトピー性皮膚炎の症状の改善が早まりました。その方は朝食にパンを食べていましたが、食べても特に症状は自覚していませんでした。しかしパンの添加物はアトピー性皮膚炎の悪化の要因になっていたのです。

このように、プリックテストでアレルゲンを簡単に見つけられます。それがアトピー性皮膚炎の悪化の要因であれば、除去して改善を早められます。アトピー皮膚炎の改善を早めるためにプリックテストは非常に有用です。

 

生後すぐから半年のステロイド塗布

 生後すぐからステロイドを塗布されていた半年のお子さんが受診されました。出産後すぐにおむつかぶれにステロイドを塗布されましたので、このお子さんは今までステロイドを塗布しない時期がなかったのです。全身とびひ状態でこれはMRSA(抗生物質耐性の黄色ブドウ球菌)によるものではないか、と思いました。

細菌培養の検査をしてMRSAに効果のあると思われる抗生剤の内服を含め、抗アレルギー薬とかゆみ止めの内服と、スキンケアーで治療しました。細菌培養の結果はやはりMRSAでした。投与した抗生剤はそのMRSAに効果がありました。抗生剤を内服しているときには症状は改善しましたが、リバウンドを発症しました。全身のとびひ状態は悪化し、また一定の期間をあけて抗生剤の内服をしました。そうしますと症状は改善しましたが、また悪化を繰り返しました。

やがてリバウンドは改善しましたが、MRSAによるとびひ状態は何度も繰り返し、半年間続きました。とびひ状態が繰り返す理由は、生後すぐからステロイドを塗布されていて、免疫機能が落ちているからです。そのことを説明しましたら、お母さんはよく理解してくれました。そして改善を信じて治療を続けてくれました。

その後かなりとびひ状態になる頻度は減ってきました。しかしMRSAはまだ消えません。そのまま治療を続け1年たちました。するとようやくMRSAは消え、とびひ状態になることもなくなりました。その後は順調で初診から1年半後に治癒しました。ステロイドを使用したのは半年ですが、治癒には1年半かかったわけです。

その間、治療を信じてくれたお母さんに感謝いたします。最初からステロイドを使用しなければこういうことにはならなかったと思います。おむつかぶれにはステロイドでない外用剤があります。その後のアトピー性皮膚炎にも、すぐ私の所に受診していただければMRSAのとびひ状態にならずに速やかに改善したと思います。お母さんの治療に対する信頼で治癒したお子さんの例です。

 

東京から信頼でアトピー性皮膚炎を治癒させた方

 私が昔勤務していた大阪府の病院に、東京から受診された方がいました。ステロイドを長期塗布していて、中止すると強いリバウンドを発症しました。顔も非常に腫れ、脚も歩きにくいほど腫れましたが、その方はリバウンドをよく理解し、東京から通院してくれました。ご家族の方々もよく理解してくださり、通院を続けました。

カポジ水痘様発疹症(単純ヘルペスの全身型)や細菌感染症も合併しましたが、その都度適切な治療で改善しました。精神的にもつらい日々で、いつも苦しそうな表情で受診されました。しかし受診時には私の説明をよくきき、治療と状態を理解し治療を続けてくれました。

東京から受診するので、費用も時間もかかりますが、その方は定期的に受診されました。
頭の毛もぬけました。でも経験的に改善することがわかっていましたので、必ず生えます、と説明して精神的負担を軽減しました。その方は私の治療を信頼して頑張ってくれました。こういう時に大切なのは相互の信頼関係です。それが強い方ほど早く改善します。そしてまずリバウンドが改善しました。

その後は順調で、全身のアトピー性皮膚炎は改善し、頭の毛も生えました。そして治癒して通院が不要になった時、素晴らしい笑顔を見せてくれました。遠方からの通院はアトピー性皮膚炎の皮膚症状のつらさに加えて、色々な負担がかかります。その時に必須なのがご本人とご家族全員の治療に対する信頼です。

私はベストのアドバイスと治療をいたしますので、それらを理解して治療を続けてくれることが大切です。私が治すのではなく、ご本人が治療を信頼して治そうという気持ちが肝要です。そういう方は早く改善、治癒いたします。

 

 

アトピー性皮膚炎に保湿剤は不要です

 アトピー性皮膚炎に保湿剤を塗布されている方々が多いのですが、保湿剤ではアトピー性皮膚炎は改善しません。現在、保湿剤を塗布して皮膚からのアレルゲンの吸入を阻害するという考え方がありますが、当クリニックに保湿剤を塗布してこられる方々は、感染症で悪化している場合が多く見られます。

アトピー性皮膚炎は細菌感染症の合併が多く、保湿剤は傷を覆ってしまい、細菌感染症は悪化します。更に皮膚は保湿剤がないと乾燥がひどくなる保湿剤依存症になります。こうなると悪循環で、いつまでも皮膚の乾燥は改善しません。

しかも保湿剤の塗布はリバウンドを起こす場合があります。ある方は、ステロイドを塗布していなくて、保湿剤でアトピー性皮膚炎を治療していて改善せず受診されました。保湿剤を中止しましたらリバウンドを起こしました。当クリニックの治療で改善しましたが、リバウンドの改善には時間がかかりました。

当クリニックでは保湿剤は塗布せず、外用薬は傷のみ塗布してもらい、その上から布(リント布と竹布というものがあります)でカバーしてもらいます。傷のない箇所には外用薬は塗布しません。この方法で次第に皮膚も強くなり、傷もできにくくなりますし、皮膚の乾燥も改善します。

保湿剤を塗布している方々は、そのことが皮膚を痛めていることをよく理解してください。塗布している時には皮膚の乾燥はマスクされていますが、皮膚の保湿力は改善していません。アトピー性皮膚炎に保湿剤は不要です。

 

 

 

 

ハリー・ポッターに助けられて

 ハリー・ポッターを最初に日本語版で読んでまあまあ面白いと思いました。その後映画になりましたので観に行き、英語の美しさに感動しました。日本語版ではそのことはわかりませんでした。すぐに原書を買いに行き、その当時は1巻から3巻まで出版されていたので、3巻全部を買いました。

1巻目から英語の素晴らしさに圧倒されました。ストーリーも秀逸ですが、日本語版では味わえない英語の微妙な言い回しや、作者の造語も物語をより奥深くしています。時間のある限り夢中で読みました。感動のうちに1巻を読み終わると、2巻を読み、また大きな感動をもらい、3巻に進みました。素晴らしいと思いました。まだ4巻は出版されていなかったので、3巻を読み終わると1巻に戻り1巻から3巻をそれぞれ2回読みました。

読んでいるときは至福でした。実はこの時、勤務している病院の売却問題があり、大きなストレスで病院全体が暗いムードでした。しかし私はハリー・ポッターのおかげで、生き生きとして仕事も明るく楽しくできました。つまり私はハリー・ポッターに助けられてストレスを克服できたのです。

アトピー性皮膚炎ではストレスが重要な因子になっています。ストレスを克服しながら治療すると改善が早くなります。逆にストレスにさいなまれると改善が遅れます。ですので何か自分が夢中になれるストレスを発散させるものを見つけてください。読書でも、映画でも、音楽でも、スポーツでも、何でも結構です。アトピー性皮膚炎は生活しながら改善させる病気です。

そういうものがあれば、生活は生き生きとしてアトピー性皮膚炎の改善に役だちます。是非、その「何か」を見つけてください。ちなみに、私はハリー・ポッターの原書を全巻読みました。読んでいる間、生きていることはこんなに楽しいと思い、仕事も精力的にできました。自分にあった人生の楽しみを見つけてアトピー性皮膚炎を改善させてください。

木俣とジブリ

 私はジブリの大ファンです。ジブリの作品はもちろん大好きですが、ジブリの運営にも興味があり、その見事さに敬意を払っていました。ジブリの作品がヒットするのは素晴らしいからですが、その作品を世に出すには色々な方々の協力が必要です。それを仕切って運営されている方が鈴木敏夫プロデューサーさんです。鈴木敏夫プロデューサーさんの活躍を知るようになり、この方がジブリを支えていることがわかりました。

その頃、私は京大病院に勤務していましたが、鈴木敏夫プロデューサーさんにお会いしたくなり、学会が関東であり、その時にお会いしたいことを、若気の至りで手紙等にて連絡をとりました。今思えば面識もなく、本当に失礼なことをしたものです。しかし、鈴木敏夫プロデューサーさんは多忙な中で時間を作ってお会いしてくれました。誠に寛大な方です。

そして色々なことを長時間話してくださり、ジブリの映画製作と興業に関する方針を教えてくださいました。その他、色々な話もしてくださいました。私にとっては非常に勉強になる話で、本当に感謝しています。ジブリは今後も素晴らしい作品を作り続けて欲しいと思います。

私も診療に全力を尽くし、アレルギー疾患で困っている方々を改善、治癒させるように精進いたします。心に何かよりどころがあると、人は毎日楽しく生き生きと生活できます。ジブリの作品を観る度に私は活力をもらっています。それは診療を精力的にする励みになります。

アレルギー疾患でお困りの方々は、そういう楽しみを見つけて活力をもって治療してください。そうすれば改善、治癒は早まります。

 

 

アトピー性皮膚炎と不眠

 アトピー性皮膚炎で睡眠は大切な要素です。睡眠が十分にとれないと、症状の改善が遅れます。熟睡できますと、症状の改善が早まります。また寝るタイミングも重要です。夜更かしは良くありません。早く寝ることは睡眠中の成長ホルモンの分泌が増し、皮膚に良い影響を及ぼします。 

不眠の原因は色々あります。痒みが強いとか、またストレスやリバウンドでも不眠は起こります。注意すべきことは、昼夜逆転してしまうことです。昼寝てしまうと、ますます夜は不眠になります。そうなるとアトピー性皮膚炎も悪化します。昼は寝ず、夜に早く寝るのが大切です。夜に早く寝て夜中に起きても大丈夫です。

不眠が強い時は、症状に応じて成人には睡眠薬を内服してもらいます。小児なら抗不安薬は安全に内服できますので内服してもらいます。不眠が改善するまで内服を続けてもらい、改善したら中止します。当クリニックには、不眠の成人や小児の方々が多く受診されますが、アトピー性皮膚炎の治療に加えて、前述の内服療法で改善されています。

生活習慣も大切で、寝る前にパソコンや携帯電話を長時間するのは良くありません。寝る前には音楽を聴くとか、ストレッチをするとかして、リラックスするのが良いです。朝は早く起きて朝日を浴びてください。薬物療法に加えて適切な生活習慣で、アトピー性皮膚炎の不眠を改善してください。

迷う時には相談して希望を

 アトピー性皮膚炎では長期の治療が必要です。
特にステロイドを使用していて中止によりリバウンドを起こした場合、痒みが強く不眠で困っている場合、細菌感染症や単純ヘルペス感染症を繰り返す場合、等、改善と悪化を繰り返すことがあります。
しかし、次第に改善が悪化より多くなり、回復に向かいます。


 そういう時に大切なのは希望です。特に今は情報が氾濫していて、ステロイドの利点だけを伝える情報もあります。しかしステロイドは一時しのぎの薬です。長期塗布では色々な副作用が出ます。
私は、アトピー性皮膚炎の治療では、患者―医師の信頼関係が非常に大切で、協力して一緒に治療するというスタンスで診療しています。
そして、私の経験から希望を与えられるような情報をお伝えしています。


更に、当クリニックでは、素晴らしいスタッフの方々がチームワークで診療を支えてくれます。
これは病院勤務ではなかなか難しく、クリニックでの診療の大きな利点で、スタッフの方々に感謝する日々です。
私はできるだけ詳細に説明してはおりますが、診療後も待合室でスタッフの方々が患者さん達に色々なアドバイスをして、患者さんをサポートしてくれています。


 実例:小児の方でステロイド中止後のリバウンドで受診されました。全身のリバウンドで、痒みも非常に強く、夜も不眠でした。細菌感染症も合併していて、浸出液で全身がじくじくでした。当クリニックの治療で改善は見られましたが、全身のひっかき傷も多く、かゆみと夜間の不眠は続き、ご両親が非常に疲れて、一時的にステロイドを使用を希望されました。

 私はもちろん詳細に説明してステロイドを使用しないようにアドバイスしました。しかし、ご両親が今の辛さから一時的にも開放されたいという気持ちも強く、迷う日々でした。そういう時、スタッフの方々がご両親に色々アドバイスして下さり、ご両親は希望を持つことができ、結局ステロイドを使用せずに、お子さんは約1年後には著明に改善されました。

【過去の院長ブログより】

細菌培養の重要性

 当クリニックでは細菌培養をしてアトピー性皮膚炎の患部にいる細菌を同定します。この検査は皮膚を軽くこするだけで痛みもなく簡単にできます。
アトピー性皮膚炎は細菌感染症で悪化しますので、細菌を同定するのは非常に重要です。この検査をしないと、細菌の種類がわからず効果のない抗生剤を投与することもあり、その場合は症状は改善しません。

 アトピー性皮膚炎に明らかにとびひ状態(細菌感染症が広がった状態)が合併していても、ステロイドやプロトピックによる治療がされています。ステロイドもプロトピックも免疫抑制剤ですので細菌感染症は悪化します。このことが理解されていません。内服の抗生剤が投与される場合もありますが、ステロイドやプロトピックが併用されて塗布されていますのでなかなか改善されません。

そういう状態の方々が当クリニックには多く受診されます。細菌培養をして、効果のあると思われる内服の抗生剤を投与します。すぐ投与するのは細菌培養の結果が出るのに数日かかりますので、それを待っていては状態が悪化するからです。
 更に当クリニックでのアトピー性皮膚炎の治療としての、内服の抗アレルギー薬と抗ヒスタミン剤(かゆみどめ)と、外用の消毒液と抗菌剤を使用し、患部をリント布(皮膚を保護する布)でカバーすることで改善します。

実例:色々な医療機関を受診してアトピー性皮膚炎が改善されない方が受診されました。症状からMRSA(抗生剤耐性の黄色ブドウ球菌)による感染症の合併と思い、細菌培養をしましてMRSAに効果のある内服の抗生剤を投与しました。同時に前述の当クリニックの内服と外用治療をしました。細菌培養の結果はやはりMRSAでした。そしてその後治癒されました。今まで一度も細菌培養をしていないのでMRSAとわからず、有効な治療がされていなかったわけです。

 

 実例のようにアトピー性皮膚炎が改善しない場合は細菌培養をしてください。そしてその細菌を撲滅する適切な治療をしてアトピー性皮膚炎を改善させてください。

【過去の院長ブログより】