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院長ブログ⑲アトピー性皮膚炎における笑いの効果

 連日35度を超える暑さが続いていますが、体調など崩されていませんか。世の中では猛暑日ではなく酷暑日などと最高気温が40℃以上の日を指す言葉もできたくらい、暑い日ばかりでうんざりしますね。くれぐれも熱中症にはご注意ください。

 さて、今回の院長ブログは「笑い」がアトピーを治す効果の臨床報告についてです。
木俣先生は過去に12週間の追跡調査を行いました。対象はアトピー性皮膚炎の患者さん237人です。
先生の臨床実験は、船瀬俊介氏による著書「笑いの免疫学」でも紹介されています。患者さんには辛いこの暑い季節であることと存じます。「笑う事」で少しでも症状が改善していただけたらと思っています。

 木俣先生は、2015年のイグノーベル賞の授賞者ということでご存じのかたも多いでしょう。
授賞理由は、恋人やパートナーを集め、30分間自由にキスをしてもらってアレルギー反応を調べた結果、キスにはアレルギー反応の抑制効果があったという研究です。  その原点は、「笑い」にあります。治療に笑いを!楽しく前向きな気持ちで!木俣先生は「アトピー性皮膚炎の方々は様々なストレスをいかに克服し、予防するかが大切。」また、先生は「笑い以外には愛情も(キスも)とても大切なアレルギー反応制御因子だ」と雑誌あとぴナビで紹介しています。その後も木俣先生は、母親が笑ってスキンシップをするだけで乳児のアレルギー反応は減弱しないだろうか?と考えられ、お母さんたちをAとBの2つのグループに分けて、授乳はAとBとも哺乳瓶でミルク授乳し、Aグループには「横山やすし、きよし」のテープを聞いてクスクス、ゲラゲラ笑いながら授乳し、Bグループには天気予報テープを聞きながら笑わず授乳させました。驚くことに、母親が笑いながら授乳をしたグループでは、全員で(赤ちゃんの)アレルギー反応が減弱しました。一方、母親が笑わない場合は、乳児のアレルギー反応は不変か、むしろ増強する場合もありました。授乳というのは、エネルギーも使いますので、実は、赤ちゃんにはストレスなのです。しかし、それを母親の笑いで逆転できる。是非とも若いママ達には、笑いながら授乳して欲しいと思います。間違っても、怒りながら授乳はダメですよ。と先生は「日本笑い学会新聞No.66」で書いています。

先生は他にも、「気管支炎ぜんそく」や「花粉症」など目にくる「アレルギー性結膜炎」と「笑い」との関連も研究しています。その結果、「気管支炎ぜんそく」の患者さんに「モダン・タイムス」(喜劇映画)を見せて笑ってもらうと、気管支を刺激し収縮させる物質への抵抗性が増すことが判明しました。つまり「笑い」は気管支の抵抗力を強くして「ぜんそく発作を起こりにくくする」ことが立証されました。
また、「アレルギー性結膜炎」は涙の中にアレルギー反応を引き起こす抗原タンパク質(IgE)が流出してくるのですが、IgE値が高いほどアレルギー性結膜炎は重症になります。春先の「花粉症」で目がシバシバして涙目になるのは、花粉が抗原となって、結膜でアレルギー反応を起こしています。当然、IgE値は高置です。ところが「花粉症」の患者さんたちを「モダン・タイムス」(喜劇映画)で「笑わせる」と涙の中のIgE値が減少しました。つまり「笑い」は「ぜんそく」や「花粉症」などにも効くことが証明されました。「笑い」の後に、驚くほどのアレルギー反応の減弱効果があり、アトピー性皮膚炎にも効果があると先生は言います。そのメカニズムは、抗体(IgE)が体内に侵入した異物を見つけると攻撃をします。その後、合体して体外に排出するのですが、その時に過剰反応するのがアレルギー反応です。「笑う事」=リラックスすることでその攻撃の反応が弱まるのです。

 皆さんも是非、朝鏡の前に立って口角を上げ、笑顔を作ってみるようにしてみてください。きっと「笑う事」で体がリラックスでき、アレルギー反応の減弱に繋がることでしょう。

院長ブログ⑱「アレルギー疾患での単純ヘルペスと細菌に注意を」

 夏の訪れを感じる頃となりましたが、皆様お元気でしょうか。いよいよ夏本番!夏休みのご予定はお決まりでしょうか。朝ごはんを食べ水分と塩分摂取をし、熱中症などにご注意ください。 
 さて、今回の院長ブログは「紀伊民法」に掲載された
「アレルギー疾患での単純ヘルペスと細菌に注意を」です。単純ヘルペスは合併しやすく、家族で互いに移し合うこともある。との事です。タオルなどの共有は止めて、規則正しい生活を送って単純ヘルペスにかからないように皆様、ご注意ください。

 

 和歌山県からアトピーの中学生Aさん、喘息とアレルギー性鼻炎の母親Bさんが受診した。二人とも分子標的治療薬の注射で改善せず、ずっと不眠であった。Aさんは全身のアトピーで、単純ヘルペスを合併し浸出液も多く細菌感染もあった。強い症状よりMRSAを考え、抗アレルギー薬と抗ヘルペス薬とMRSAに効果のある抗生剤を投与した。また新薬の外用剤と保温剤も塗布していて、その為毎回入浴して外用剤を洗い流しその後にまた塗布していた。外用剤を全て中止し、入浴も1週間に1回シャワーにし抗菌性の布でカバーして皮膚を保護した。皮膚細菌培養の結果はやはりMRSAであったが、溶連菌も検出され2菌種の感染であった。2週間後には皮膚は乾燥し、痒みも減少して不眠もなくなった。一方Bさんは、アトピーはないが全身を診察すると所々に単純ヘルペスがあった。アトピーがなくてもアレルギー疾患があると単純ヘルペスは合併しやすく、親子で互いに移し合うこともある。咳や鼻汁もひどく、気管支炎もあった。抗喘息薬、抗ヘルペス薬、抗生剤、咳止めを投与した。2週間後、皮膚のヘルペスは治癒していた。しかし皮膚の細菌培養ではMRSAが検出され、親子で感染していた。喘息も鼻汁も改善し、不眠もなくなった。

 Aさんはその後リバウンドを起こしたが、内服と入浴制限とカバーで改善した。皮膚症状は改善していったが、頻繁に単純ヘルペスになった。しかし通院中で発見が早く内服で迅速に治癒した。Bさんの喘息とアレルギー性鼻炎は順調に改善した。しかしAさんが単純ヘルペスを発症するとBさんも発症した。アレルギー疾患があると単純ヘルペスを発症しやすいが、アレルギーが改善すると発症しなくなる。治療を続けると症状の改善につれて、2人とも単純ヘルペスの発症はなくなった。肌の綺麗なAさんを抱き、Bさんは症状改善と医療費の大幅な減少を喜んだ。治療は経済的健康も大切である。