春らしく穏やかな気候に心和む季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
花粉症にお悩みの際は、先生にどうぞご相談ください。
さて、今回の院長ブログは「健康365オンライン」掲載された「アトピーと単純ヘルペスと光害」です。
アトピーの実態、合併症、悪化因子、治癒する根本的治療の事実の情報が広く社会に流通して理解されて、アトピーやアレルギー疾患が治癒される事を願うと言う先生からのメッセージです、最後まで読んでみてください。
アトピーの患者さんに多い合併症の単純ヘルペス感染症だが、この症状は多彩で、水疱や典型的は皮疹がはっきりしない場合もある。以前、数百例をPCRで検査した時、陽性例では症状は非常に多彩であった。またアトピーが無くても、アレルギー性鼻炎や食物アレルギー等のアレルギーがあれば単純ヘルペスに罹患(りかん:病気にかかること)しやすい。これはアレルギーを悪化させる条件が単純ヘルペスの受容体を増加させるからである。逆に言うとアレルギーを治療していれば単純ヘルペスに罹患しにくくなる。アレルギー疾患に単純ヘルペスの合併が激増する状況から数年経ち、海外ではその状況が理解されてきた。しかし日本では情報が不足で理解がない。
当院には他府県からも1~2年皮膚症状が改善しない方が多数受診される。それまでは診断は蕁麻疹、ニキビ、とびひ、アトピーの悪化、として治療をしたが改善しない。しかし、抗ヘルペス薬内服で速やかに改善する。
だが、その方達は今までに単純ヘルペスと言われたことはない。当院に外用剤を40年塗布して改善しないアトピーの方が受診した。全身の単純ヘルペスと細菌培養で確認したMRSAを合併していた。抗アレルギー薬の持続投与、抗ヘルペス薬、MRSAに感受性ある抗生剤、抗菌性のカバーで速やかに改善した。また最近入浴での皮膚の細菌感染や乾燥の悪化が多数報告されるので、1週間に1回のシャワーにして外用剤の塗布を中止した。すると強いリバウンドも起こらずに順調に改善して1年後には抗アレルギー薬の内服も眠前1回に減量でき、かゆみも無く皮膚の状態も著明に改善した。その方は当院受診の前は薬の注射や外用をしていて医療費が高額であったが、当院ではその数分の1の金額で著明に改善した。このように改善すれば患者さんも経済的に救われ、医療費も減額できる。国を挙げて対策に乗り出すべきではないだろうか。単純ヘルペスは再発が多い。当院で単純ヘルペスの情報を知り理解された方は、同様な症状があればすぐ受診し治療で迅速に治る。しかし医療機関を転々とし1~2年もかけている患者さん達がいることは残念である。適切に診断し迅速に治療して健康になってほしい。
現在単純ヘルペスが多い理由は、新型コロナ関連、環境中の単純ヘルペスウイルスの多さ、ウイルスのシェディングで単純ヘルペスが蔓延し、家庭内感染や職場感染が継続する事が考えられる。それに加えて世界的に問題になっている、健康に悪影響を与える光害がある。光害とは人工的な光が夜も世界を照らし、夜行性の動物数も減少させている環境の破壊である。人でも概日リズムの失調、不眠、心疾患、免疫機能の低下、精神的疾患、アレルギー疾患の悪化にも関与している。特にアトピーでは、間接的影響では概日リズムの乱れによる不眠と免疫低下、易疲労性に加え、皮膚への直接的影響で皮膚が障害される。具体的にはブルーライトは活性酸素種を増やし、皮膚のDNAを損傷し老化や色素沈着を促進、また皮膚の細胞の概日リズムを乱すことがある。概日リズムが乱れると免疫力も低下し、単純ヘルペスを発症する。また最近はスマホを夜間特に眠前に見つめることで不眠が多く、これも光害である。不眠はアトピーを悪化させるが、単純ヘルペスにも罹患しやすくなる。ところが不眠の自覚が判りにくい場合もある。アトピーで月に1回単純ヘルペスに罹患している方がいた。抗ヘルペス薬で改善するが、再発を繰り返す。皮膚の状態から睡眠障害と思い不眠の有無をきくと不眠はないという。しかし、熟睡の有無をきくと熟睡していないと、初めて睡眠障害を自覚した。スマホは1日中使用している。そこで短期睡眠薬投与と眠前30分間はスマホを使用せず朝は早起きを継続する治療で、熟睡もできその後単純ヘルペスを発症しなくなった。その後はアトピーは著明に改善し、治癒した。概日リズムの乱れはその人本体のみでなく皮膚の細胞でも起こるので、単純ヘルペスに罹患しやすくなる。概日リズムを治すことが単純ヘルペスの予防にもなるので、この情報が社会に流通することを願う。尚、夜間のシフトワークや、夜更かしをしている場合には概日リズムが乱れやすく、単純ヘルペスに罹患しやすくなる。またアトピーの皮膚症状が軽度な方や、アレルギー性鼻炎の方でも光害で不眠が増えてくる。屋外では施設や自動販売機や様々な設備の光が夜間も点灯している。英国のある地域では、人工の光が多すぎて夜に自然の光が見られず、そこは不眠症の方や心疾患の割合が多いという報告もある。しかし屋外のみでなく、屋内の人工の光も光害を引き起こす。その光源はパソコンやスマホが多い。ある方はアレルギー性鼻炎でアトピーはなく、皮膚の痒みもない。しかし最近不眠になり、話しをきくと家でスマホの使用時間が長く、家族と会話する、音楽を聴く、ストレッチをする、を勧めた所不眠が改善した。尚、不眠の時期はアレルギー性鼻炎が悪化したが、不眠が改善してからは鼻炎も改善した。
文化の発展で、スマホは文明の利器であり現代生活には重要のアイテムである。また夜間安全の為、道路に照明をつけるのも社会生活には必要である。しかし過剰なスマホの使用や夜間の照明は生物としての人間の健康に悪影響を与える。夜にベッドルームの暗い光でも全身性の炎症を増強し、代謝や精神的に悪影響を与える。また最近、アトピーの方で多動症やうつ状態や不安神経症が多い。以前は、それらはアトピーの悪化に伴う精神的な症状であり、皮膚症状が改善すれば精神的な症状も改善した。しかし今はアトピーが改善してきても精神的な症状態は不変である。そこで光害の影響を考えて診療した。ある日、重症のアトピーで多動症の小児が受診した。痒みと精神的な不安定さで絶えず動き、果ては診察室の床にひっくり返り騒ぐ。母親は多動を抑えるためにスマホでゲームをやらせていたが、それでは診察もできない。夜もスマホでインターネットやゲームに夢中で夜更かしをし、朝もきちんと起きられない。尚、両眼とも強度の近視で度の強い眼鏡をかけていた。食事中も多動できちんと食事もできず、その為かなり痩せていた。初診時は騒ぎながらも診察を終え処方した薬の説明を終えた後、母親を説得した。次回から診察中と就寝前1時間はゲーム無しにして、家では子供と会話するようにアドレスした。それでもその小児は受診の度に床に寝転んで暴れた。数ヶ月が過ぎ、ある日その母親がふっくらとして物静かな子供を連れて受診した。眼鏡もかけておらず、兄弟かなと思ったら何と本人であった。アトピーも著明に改善し、多動症も改善し、食事もゆっくりしっかり食べて良い体格になっていた。スマホでゲームはしてないという。その後、その小児はアトピーも多動症も治療した。更に近視も改善して眼鏡が不要になった。
私達は「健康的な幸福」を求めて働き、生活しているが、本当に「健康的な幸福」というものが見失われている。アトピーがあれば克復して健康になって欲しいが、改善しない時は次々と薬が追加されるのみで、生活習慣や環境調節はされていない。いわば足し算の治療で、それでは費用もかかり、対症療法が加算されるだけで治療はしない。必要なのは原因解決の為の検査と、治癒する治療と、その為に余計なものは除去する引き算の生活ではないだろうか。現代は複雑な時代で、真実に対する敬意も失われてる場合も多い。アトピーの実態、合併症、悪化因子、治癒する根本的治療の真実の情報が広く社会に流通して理解されて、アトピーやアレルギー疾患が治癒されることを願う。
